2018-0412
インターネットに関連したデジタル機器の急速な普及は、大人だけで無く子供達の間でも現在進行形で進んでいる。特にこの数年における子供を取り巻くデジタル環境の変化は、あまりにも急激過ぎ、状況の把握が非常に難しくなっているのが現状。今回は内閣府が2018年3月30日付で確定報を発表した、【平成29年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果】の報告書データを基に、その現状を少しでも理解すべく、小中高校生を対象とした「パソコンや携帯電話のようなインターネットの窓口となる機器の、子供の利用率のここ数年での変化」を確認していくことにする。
今件調査につき、比較できる過去のデータ9年分について「パソコンの利用者率」「携帯電話の利用者率」「スマートフォンの利用者率」「タブレット型端末利用者率」の4項目の経年推移を示したのが次のグラフ。なおスマートフォンは2009年、タブレット型端末は2009年-2011年では質問そのものが存在せず、回答値も無い。また「携帯電話」は従来型携帯電話(フィーチャーフォン、ガラケー)とスマートフォン双方を意味する。

さらに先行記事で解説の通り、「青少年のインターネット利用環境実態調査」は2014年分から大きく仕切り直しが行われており、そのままでは前年分からの継続使用が不可能。そこでパソコンはデスクトップパソコンとノートパソコン、携帯電話はスマートフォンと従来型携帯電話、タブレット型端末はタブレット型端末以外に学習用タブレット、子供向け娯楽用タブレットを合わせて算出する。さらにスマートフォンは通常のスマートフォンに加え格安スマートフォン、機能限定・子供向けスマートフォン、契約切れスマートフォン、従来型携帯電話は従来型携帯電話以外に機能限定電話・子供向け携帯電話を加味した上で値を算出する(統計原値では、そのような仕切り分けをした値も公開されている)。

これらの値はあくまでも、それぞれの年における調査対象母集団全体に対する比率であることに注意。例えば2017年の「携帯電話利用者」は72.1%とあるので、2017年における小学生から高校生までを合わせた全員のうち、約7割が従来型携帯電話かスマートフォン(あるいはその双方)を利用していることになる。また今件はあくまでも「利用」であり、該当端末の所有権の有無は問われていない。さらにインターネット機能の利用も問われていないことに注意。


↑ パソコン・携帯電話などの利用率(小-高校生)(インターネットへのアクセスの有無を問わず)

パソコンの使用率は2013年までは横ばい、やや漸減傾向にあったが、2014年では大いに減少している。これは先行記事【小中高校生のパソコン利用状況をグラフ化してみる】で詳細を解説しているが、設問方式の変更によるところが大きい。とはいえ、高校生までの子供において、「パソコンを利用している」との認識をしている人が2012年以降は減少していることに違いは無い。その状況は直近の2017年も継続し、ついに約2割にまで落ち込んでしまった。

一方、携帯電話の利用率は少しずつだが確実に上昇している。これは主に小学生の間でも携帯電話が浸透しつつあることの表れともいえる。この「携帯電話利用者」の大部分はスマートフォンで、実質的にスマートフォンの所有者増加が「携帯電話利用者」率を底上げしていることになる。なお上記の通り2014年以降は設問設定がいくぶん変化しているため、「メインがスマートフォン」は2014年以降においては単純にスマートフォン利用者を意味している。とはいえ、従来型携帯電話とスマートフォンの双方を利用し、前者がメインの利用スタイルも考えにくいため、実質的には同等のもの、連続性のある値と見なしても問題は無いだろう。

タブレット型端末は2012年になって初めて登場した項目であり、それ以前の経年推移を推し量ることはできない。しかしながら初年ですでに11.1%もの普及率、2年目の2013年には16.7%と確実に増加を示している。2017年には3割に届き、今後もさらに伸びていくことは容易に想像できる。保護者が所有していればそれを借りる機会は多く、パソコンよりもはるかに機動力は高く、保護者としても貸しやすいからに他ならない。

やや余談的な話ではあるが、対象となる小中高校生においては一番デジタル機器との接触率が高く、さらに購買意欲など消費方面でも強い影響力を持つ高校生に限って算出した結果が次のグラフ。

↑ パソコン・携帯電話などの利用率(高校生)(インターネットへのアクセスの有無を問わず)
↑ パソコン・携帯電話などの利用率(高校生)(インターネットへのアクセスの有無を問わず)

高校生に限ってもパソコンの利用率は2011年をピークに減少を示している(2014年の急速な落ち込みの理由は上記の通り、調査様式の問題であり、実態として1年で半減したわけではない)。また携帯電話ではほぼ上限に近い状態が続く一方、スマートフォン利用者が急激に増加しており、従来型携帯電話からスマートフォンへのシフトがこの数年で猛烈に生じていることが確認できる。

一方、タブレット型端末は高校生でも19.3%。必要性の観点でも、スマートフォンと比べればはるかに低いのが原因。



来年の今頃には、今調査の結果発表に基づき各調査値の更新版を展開することになる。その時に各項目の値にいかなる変化が生じるのか。特にパソコン利用率の経年変化が確認できるのは興味深い。また高校生ではほぼ頭打ちとなったスマートフォンの利用率が小中学生にどこまで浸透し、全体値を引き上げることになるのか。今から非常に楽しみではある。