未来投資会議で挨拶を行う安倍晋三首相(中央)=12日午前、首相官邸(春名中撮影)

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 安倍晋三首相は経済財政諮問会議で、平成34年度以降に備えた社会保障改革の具体的な検討を進めるよう指示した。

 なぜ「34年」が注目されるのか、Q&A方式でまとめた。

 Q 34年に何が起きるのか

 A 約800万人とされる「団塊世代」(昭和22〜24年生まれ)が平成34年に75歳以上の後期高齢者になり始める。28年に1691万人だった後期高齢者は、37年に2180万人まで増えるという推計がある

 Q なぜ問題なのか

 A 医療費や介護費が大きく膨らみ、現役世代で支えられなくなる恐れがあるからだ。75歳になった人は国民健康保険などから都道府県単位の後期高齢者医療制度へ移る。後期高齢者の自己負担割合は原則1割。残りは現役世代が加入する医療保険などからまかなわれているが、今後は支え手の現役世代が減っていく

 Q 後期高齢者の医療費はどれぐらいか

 A 厚生労働省によると、28年度は15兆3千億円で医療費全体(42兆2千億円)の36・3%。額、比率ともに年々増えている。内閣府の試算では、一般会計の社会保障関係費の増加額は34年度以降、年9千億円まで増えるとみられる

 Q どんな取り組みが必要か

 A 徹底した歳出の効率化が必要だ。民間議員は中長期的視点で健康予防の推進や医療・介護のムダの排除などを求めた。後期高齢者の自己負担割合の引き上げや制度の見直しも議論は避けられない

 Q 改革は進むのか

 A 与党は有権者の反発を恐れ、高齢者の負担増となる改革に積極的ではない。ただ、国債残高などの「国の借金」は1千兆円を超えて先進国では最悪といえる。景気に配慮しつつ、聖域を設けず改革を進める覚悟が必要だ