「ディーラーなのに車を売らない」。不思議に思う人も多いと思うが、これは「販売の基本」。まず、お客様に来てほしければ「縄張りを解除」すること。現在のディーラーの店舗は「行けば車を売りつけられる」と感じてしまう。そこまで感じなくても、「車について用事がなければ無用な存在」だ。これに「一本釣り商法」が加わると、「危なくて、近づき難い存在」と感じられてしまう。

 先日、【トヨタ車販売店に豊田章男社長など経営陣が乗り出す! 系列一本化で危機感】の記事を書いたところ、日産自動車などが行っている、「市場の縮小」に伴ったディーラーの一本化を図る「コストダウン」の考え方で、現在のディーラーの動きを捉えることが常識化していることを、ネット上の各種コメントで知ることになった。それを、かなりの専門家やジャーナリストが思い込んでいる様子が分かった。

 車の保有率は、ある調査では全国平均76.8%、首都圏64.6%、地方圏83.7%となっている。「車を買いたくない」と考えている若者は過半数となり、その理由では「現実的にお金がかかる、なくても暮らせる」と、「実際には所有したいがお金がない」とすることから、「車に興味がない」「ほかのものにお金は使いたい」と考える傾向が強くなっている。

 この現実の市場の傾向は、「車そのものに興味が持てない世代」が増えているのだ。「若者が貧乏である」との情勢が引き金になったが、現在は車に興味がないのだ。「企業がもうけても給料を上げない」のでは、経済は回らない。株配当金は過去最高を更新したが、国民の生活は豊かにはなっていないのが現実だ。このままでは、「国民のライフスタイル」から「車の所有」は、はみ出していくのだ。営業政策を根本的に変える必要がある。「ディーラーがライフスタイル」に合わせていくのは必定なのだ。「売り込もう」など、ばかげている。

■ポスレジのバカ

 どの様な業種でも販売店の実績を見るとき注意が必要なのは、「今のところの成績」「今の販売方策での市場」と理解することだ。「(今のところ)顕在化している市場」だけがデータになる。当たり前だが、その顕在化している市場のデータに基づいて、方策を検討する経営者が多くいる。するとどうなるか。「潜在(眠っている)市場」を認識できないため、前向きな「市場の拡大策」をとることが出来ず、さらにじり貧となることが多い。それが、ポスレジのバカである。「潜在市場のほうがはるかに広い」ことを知らなければならない。つまり、「顕在市場」に限って「製品開発・営業活動」するのでは、市場創造効果は表れない。これも当たり前だが、「潜在市場」に向けた「商品開発・営業活動」が出来たとき、市場拡大の効果が表れる。

 ポスレジに現れるデータは、必ず現在、「顕在化している市場」に限ってのことだ。では、この現状のデータをどのようにすれば分析できるのであろうか?これは、あまりにも当たり前なのだが、専門家と称する人々が気づかない内容だ。「市場を予測できる尺度」を決めることだが、これが出来れば対策の半分は終わったことになる。

 この顕在・潜在市場を合わせた「市場類推法」は、いずれ気が向いた時に書くことにする。