夢のバッテリー実現へ、ソフトバンクが10億円拠出。リチウム空気電池実用化でNIMSと連携
「今後、電池の進化なしに人類の発展はありえませんから」──。そう語るのは、ソフトバンクの宮川潤一副社長です。

ソフトバンクと国立研究開発法人 物質・材料研究機構(NIMS)は、"次世代の革新的電池"をうたう「リチウム空気電池」の実用化に向けて連携。共同研究・開発を推進するための「NIMS-SoftBank先端技術センター」を設置すると発表しました。

●理論上究極の蓄電池

リチウム空気電池は、空気中の酸素と化学反応することでエネルギーを生成する二次電池です。

「理論上、究極の蓄電池」(ソフトバンク資料)だといい、リチウムイオン電池と比較して重量エネルギー密度は5倍以上。大容量の特性を活かし、ドローンや電気飛行機、ロボティクス分野などあらゆる産業への応用が期待されるといいます。

▲文部科学省内で「NIMS-SoftBank先端技術センター」の設立に関する覚書を交わす宮川潤一氏(ソフトバンク 代表取締役副社長執行役員 兼CTO、写真=左)、橋本和仁氏(NIMS 理事長、写真=右)

「いろいろな製品を企画しても、バッテリーの容量やパワーの問題で引っかかってしまう。そこで、次世代電池についていろいろ探してみたところ、日本の電池開発能力は世界でも群を抜いているなと。トヨタさんは全固体電池をやられているが、我々はもう少し先を考えている。目指したい容量でいうと、今の5倍程度を作り上げたい。そうなると世の中はがらっと変わります。やりたいことをようやく実現できる時代になる」(宮川氏)

一方、充放電サイクル数が極端に短いなど、実用化への課題は山積。ソフトバンクの宮川氏は「(実用化に)失敗したらごめんなさい」と弱音を吐きつつも「5年から10年の間には製品化したい。それを実現するために何か協力できないかとNIMSさんに依頼した。失敗の可能性は低いと思っている」とも語ります。

ソフトバンクは、今回設立するNIMS-SoftBank先端技術センターに研究費など約10億円程度を拠出し、人員も派遣するとのこと。同センターでは「(数十人規模で)一気通貫で実用化に向けた研究開発を行う」(NIMS)としています。

リチウム空気電池を巡っては、韓国のサムスンSDIも研究開発を表明。次世代電池の開発競争は激しさを増しそうです。なお、もし実用化した場合、ソフトバンクグループが買収したボストン・ダイナミクスのロボットや、次世代ペッパーへの搭載も期待できそうです。