バーチャルYouTuber「ミライアカリ」の動画制作・配信を行うDUOは4月9日、バーチャルYouTuber専門の事務所「ENTUM(エンタム)」を開設したと発表した。バーチャルYouTuber間の競争、派閥争いの激化を懸念する声が上がっている。

ENTUM所属を発表したバーチャルYouTuberは5名。YouTubeチャンネルの登録者が50万人突破した「ミライアカリ」をはじめ、FPS・TPSでトップクラスの実力を持つゲーム大好き「猫宮ひなた」、バーチャルカノジョ「ヨメミ」、ほかにも「届木ウカ」「もちひよこ」がいる。チャンネル登録者数は、合計100万人を超える規模だ。

ENTUMは、バーチャルYouTuberの事務所内外でのコラボ動画の企画、ファンレターやプレゼントを受け取りやすくするための住所提供などのマネジメント業務を担う。事務所開設記念として、ENTUMのミッション「眠れる才能の発掘」を達成すべく、「ENTUM所属の中の人募集企画」と題したオーディションが実施される予定だ。

Twitterでは、

“Vtuberも本格的に派閥が出来てきてるなあ…。
“ここから事務所が乱立し、vtuberの中で派閥争いが繰り広げられるのかもしれない…”
“ただ、パイの取り合いと潰し合いをするんじゃなくて、派閥同士で協力して業界を盛り上げていってほしいと思います”

と競争激化を指摘する声が相次いでいる。

バーチャルYouTuber界には、チャンネル登録数50万人を超える”大物”が「ミライアカリ」以外にも2人いる。その筆頭が170万人を超える「キズナアイ」だ。3月には日本政府観光局(JNTO)の訪日促進アンバサダーに就任、4月6日からはBS日テレで冠番組『キズナアイのBEATスクランブル』を開始するなど、幅広い活躍からその名を知らしめている。動画の累計再生数は1億回を突破し、勢いが止まらない。

もう一人は、「輝夜月(かぐやるな)」だ。昨年12月に動画公開を開始した、主要バーチャルYouTuberでは後発だが、”首絞めハム太郎”とも称されるその特徴的な声質、独特のハイテンションから、破竹の勢いで登録数60万人を突破。ストロングゼロネタやバーチャルYouTuberの声マネなどが好評だ。

3番手の「ミライアカリ」を追うのは、株式会社アップランドのバーチャルYouTuberプロダクション「.LIVE」所属の「電脳少女YouTuberシロ」。「シロイルカ」とも呼ばれるキュートな声と清楚なルックスとは裏腹に、ゲーム実況では残虐な一面も。登録数は42万。スーツで馬面の男性バーチャルYouTuber「ばあちゃる」も同プロダクションに所属する。

いちから株式会社からは、アプリ「にじさんじ」の公式バーチャルライバー「月ノ美兎」。生配信で映画『ムカデ人間』モチーフのゲームをプレイし「ムカデ人間」がTwitterトレンド入り。当初の清楚系委員長からサブカルキャラに変貌中だ。登録数は15万人。ほかに「樋口楓」「静凛」なども所属する。カバー株式会社はバーチャルJK「ときのそら」を運営。視聴者を”そらとも”と呼び、他のバーチャルYouTuberにはない落ち着いた語り口とラジオ番組的な感覚が人気で、登録数は12万人を超えた。

個人では、可愛い狐娘のルックスなのに声は”おじさん”という特徴を持つ「ねこます」も登録者数27万人と人気で、「童貞の女の子」という迷言も話題を呼んだ。

今回のENTUMの設立はもちろん、成長市場と見込んだグリーもバーチャルYouTuber事業への100億円規模の投資を表明し、新規参入する。本格的な戦国時代に突入するバーチャルYouTuber界から目が離せなそうだ。

(山中一生)

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