未上場建設業者の景況にカゲリ 2016年度の売上高は伸び鈍化

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 アベノミクスの影響を受けて好況を謳歌してきた未上場の総合建設業者の景況にカゲリが見えてきた。帝国データバンクが11日に発表した全国の未上場建設業者1万2,240社の2016年度調査のうち、売上高は前年度比0.9%の微増となったものの、増加率は大幅に鈍化した。増収企業の割合も、49.6%と2年連続で半数割れ。「景気は国内津々浦々に浸透してきた」と胸を張る安倍首相の指摘とはウラハラに、中小零細企業の多い未上場建設業者には、景況鈍化の兆しが出ているようだ。

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 帝国データバンクの未上場総合建設業者の調査は、企業データベースや財務データベースの中から過去との業績比較の可能な業者を抽出して実施した。調査によると、2016年度売上高は23兆5,061億円で、前年度比微増となった。前年度までの売上高は2012〜15年度までそれぞれ前年度比3.4〜8.2%と高い水準で推移していた。

 増収企業の割合も、2012〜14年度まで58.0〜62.8%と過半数を大きく超えていたが、15年度、16年度はそれぞれ49.3%、49.6%と半数を割り込んだ。また、売上高総利益を見ると、「増益」企業の割合は57.4%となった。しかし、主要上場建設会社では、75%が増益となっており、それに比べると、増益の割合が低い。原価率は、平均で81.8%と、2013年度から3年連続で低下した。一方、労務・外注費の割合は、対象1万393社の平均で54.4%と、横ばいで推移している。

 労務・外注費の割合を地域別に見ると、割合が最も高かったのは、「関東」の58.5%、全国平均を4.1ポイント上回った。次いで「近畿」の57.5%、「中部」の55.8%と、3大都市圏が上位を占めた。人件費の割合が、これら都市部で上昇していることが浮き彫りされている。

 これらの調査結果から、2020年度の東京五輪に向け、建設需要ピークアウト以降の業界への影響が懸念されると、同社は見ている。