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●働きがいのある会社とは

シスコシステムズは4月11日、都内のホテルで「Cisco Collaboration Summit 2018」を開催。テーマは、「”働き方改革”その先へ。チーム力、現場力を最大化させよう!」だ。

同社は、世界約50カ国で展開している意識調査機関「Great Place to Work」によって発表された、2018年、日本国内従業員1000人以上の大規模部門の「働きがいのある会社」において1位に選ばれている。

これを受けイベントでは、シスコシステムズ アジアパシフィック アンド ジャパン プレジデント 兼 シスコシステムズ 代表執行役員社長 鈴木みゆき氏が、同社のこれまでの働き方への取り組みを紹介した。

同氏は「働きがいのある会社」の1位に選ばれたことについて、「シスコジャパンが長年取り組んできた環境づくりが高い評価を受けたと思っている。社員一同喜んでおり、大変誇りに思っている」とコメントした

○「働きがいのある会社」調査とは

Great Place to Workでは、「働きがいのある会社」の調査(エントリー制)を、世界50カ国、7000社以上を対象に行っており、調査におけるアンケートに回答した従業員数は500万人にのぼるという。

Great Place to Work Institute Japan 代表取締役社長 岡元利奈子氏は、「国を越えて共通なもの、普遍的になものを測っています。すでに30年以上調査は行っていますが、大きな変更はしていません。この調査は、『従業員からみた働きがいのある会社』と、『マネジメントからみた働きがいある会社』の2種類で見ている点がユニークな点です」と解説した。

実際の評価は、従業員および会社へのアンケートによって行われ、それぞれの比重は2:1。2018年版は、国内で438社がエントリーし、このうち135社をベストカンパニーとして認定したという。

従業員の「働きがい」を高めることのメリットについて岡元氏は、「人材不足の中いい人が集まる、社内で協力・刺激しあえる関係が築ける、組織の信頼が高まり、それによって組織の生産性や創造性が高まり、業績があがるという良いサイクルが生まれる点です」と説明した。

○日本での働き方改革の課題

一方で同氏は、日本での働き方改革に警鐘を鳴らした。

「現在、働き方改革が注目されていますが、私たちは『働きやすさ』と『やりがい』の2つがそろって、『働きがいのある会社』として定義しています。『働きやすさ』は、比較的快適に働き続けられる条件で、就労条件や報酬条件などが該当します。どちらかというと、こちらが今の日本の中心になっています。これには、成果が見えやすいので取り組みやすいという点もあると思います。一方、『やりがい』は、仕事に対するやる気やモチベーションの部分で、仕事そのものの面白さ、達成感、成長性といったものです。こちらは目に見えにくく、時間もかかるので、二の足を踏んでしまいます。ただ、『働きやすさ』だけでは『ぬるま湯職場』になり、もっとも生産性が低い職場となります。現在、働き改革に取り組んでいる企業は、『働きやすさ』だけに注力している傾向があります。『ぬるま湯職場』になるのか、『やりがい職場』になるかのキーは『やりがい』になるので、ぜひ、こちらにも注力してほしいと思います」(岡元氏)

そして最後に同氏は、働き方改革を「働きがい」につなげるポイントとして、「働き方改革」の目的を明らかにする、会社や仕事の意義・価値に着目する、「働きがい」を見える化するの3つを挙げた。

●シスコは働き方改革をどう実践したのか

では、シスコでは、「働きがいのある会社」になるために、どのような取り組みを行っているのか?

まず、「やりがい」の部分について鈴木社長は、「シスコでは、社員が自律的にコラボレーションしあうことによって、イノベーションが促進されると確信しています。そういう企業になるためには、共通の価値観を共有していることが重要です。そのために、全社のビジョンや戦略、行動指針をまとめたカードを全社員が携帯しています。そして、これらの理解を深め、共感してもらうために、マネージャー向けのワークショップ、社員間の懇談会、社員イベントなどを通して、社員同士が語り合う場を設けています。こういった場は、互いの多様性を尊重し、異なる価値観を共有して、社員が協業して新たなイノベーションを生み出していく意図を持っています」(鈴木氏)

また、2015年から「Our People Deal」という新たな人事のフレームワークを導入し、会社が社員に提供するものと、会社が社員が期待するものを明確にし、会社が社員の成功を支援している一方で、会社とお客様に対する貢献を求めている。

「Our People Dealによって、それまで行っていた年単位での評価を行い、報酬を決める制度を廃止しています。その代わり、毎週、社員の仕事の進捗や悩みを上司と対話する機会を設けています」(鈴木氏)

また、日本独自の経営変革の取り組みについて同氏は、「私が社長になってすぐ、若手社員中心の組織横断型のプロジェクトチームをいくつか立ち上げました。そこで、生まれたのが中堅中小企業向けの日本発のブランド『Cisco Start』です。そのほか、製造業を支援するスマートファクトリーやスマートシティといった分野で企業や自治体との連携を深めています。ただ、社員が共有しているのはこういった成功体験だけでなく、失敗と学びも共有し、改善や次の成功につなげています。ベストロスという失敗の共有を行う掲示板も設置しました。こういった活動により、2017年度のシスコのベストカントリーを受賞しました」(鈴木氏)

また、全社員参加型の共通体験づくりとしてオリンピックアナバサダーを任命して、オリンピックに協力する体験を全社員向けに情報発信しているほか、長期に残る価値ある遺産として、東京2020レガシープロジェクトの社員から募集。具体化を検討している。

そのほか、働きやすさの追求では、ワークスタイル変革として、全社員参加できるテレワーク制度を導入している。

そして最後に鈴木氏は、「これらの社内で実践した働き方改革を顧客に提案していきたいと思います」と語った。