京阪・京橋駅とJR京橋駅の通路

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 京阪ホールディングス(HD)の加藤好文社長が、傘下の京阪電気鉄道が検討する大阪市内を走る「中之島線」の延伸について意欲を見せている。大阪へカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致が決まれば、延伸の具体化に踏み切り、そこから5年内に開業する方針を示した。延伸には最低でも1000億円を投じる予定だ。大阪の地下鉄と相互直通も目指す。

 延伸は地下路線として、現在の京阪・中之島駅(大阪市北区)から新設する九条駅(同西区)までの約2キロメートル区間を計画する。公営地下鉄から4月に民営化した大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)の地下鉄中央線・九条駅とも接続を図る。

 地下鉄中央線でも、IR建設予定地の人工島「夢洲(ゆめしま)」(同此花区)への延伸が計画されている。京阪は地下鉄と相互直通により、商業施設や国際会議へ訪れる国内外の客を大阪・京都方面へ呼び込む算段だ。

 また九条駅から北西方向に約1キロメートル強を延伸し、JR西日本の大阪環状線との接続も検討中。これで大阪観光の集客施設「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」の利用客取り込みを狙う。

京阪ホールディングス社長・加藤好文氏に聞く

 ―中之島線を延伸する意義は。
 「IRや2025年国際博覧会(万博)といった大型プロジェクトの大阪誘致が本格的に議論され、これまで止まっていた関西の交通インフラ整備がようやく動きだした。中之島線を起点にし地下鉄やJR、さらに阪神電気鉄道とも接続できれば、当社の鉄道利用客の需要を拡大できる」

 ―非鉄道事業との相乗効果は。
 「沿線の京都は、ホテル事業で開業もしくは開発中の案件を含め、約1500室の規模を持つ。大阪では京橋駅(大阪市都島区)や枚方市駅(大阪府枚方市)で駅の改装や商業施設開発などに取り組む。各地域の行政とも連携し、当社グループのノウハウや、M&Aで取り込んだ特色ある事業者の即戦力を生かしていく」

 ―多様な事業を支える人材の育成方針は。
 「鉄道の現場など専門的な知見を培う職員も必要だし、全体を俯瞰(ふかん)して判断できるスタッフ人材も育てる。併せて組織全体で残業削減や業務の見直しなども取り組んでいる。働き方改革は主体的に取り組み、イノベーションを生み出していきたい」
(聞き手・中野恵美子)