2018-0411
パソコンや携帯電話、とりわけ最近ではスマートフォンを使ってインターネットのサービスを利用する際には、多種多様な決まりごと、トラブルの回避方法、暗黙の了解的な知識・情報を習得しておく必要がある。それらは知っている人、慣れている人には当たり前の内容ではあるが、知識の無い、経験の浅い人にはとても重要な事柄に他ならない。それらを知らずにインターネットを利用することは、海図を持たずに大海原へ出航するようなものだ。特に経験が浅い子供達には、それらの情報は必要不可欠に違いない。今回は「インターネットを利用する上での危険性に関する子供の学習経験」について、内閣府が2018年3月30日付で確定報を発表した【平成29年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果】から確認していくことにする。
今調査に関する調査要項は先行記事の【小中高校生のネット機器利用状況をグラフ化してみる】を参考のこと。

携帯電話、特に高性能のスマートフォンの普及に伴いインターネットへのアクセスが容易になるに連れ、インターネットを介した子供のリスクも高まりつつある。被害を少しでも減らすには、該当者となりうる子供達への教育・啓蒙が欠かせない。そこで子供達に、これまで有害サイトやネットいじめの問題など、インターネット上で発生しうる危険について、説明を受けたり学んだりしたことがあるかを聞いた結果が次のグラフ。「学校から教えてもらった」との事例がもっとも多く、8割強を占めている。学校が教育機関としての面目を保った形である。


↑ 有害サイトやネットいじめの問題などインターネットの危険性について、これまで説明を受けたり学んだりしたことがあるか(複数回答)(2017年)

↑ 有害サイトやネットいじめの問題などインターネットの危険性について、これまで説明を受けたり学んだりしたことがあるか(複数回答)
↑ 有害サイトやネットいじめの問題などインターネットの危険性について、これまで説明を受けたり学んだりしたことがあるか(複数回答)

次いで多いのは親などの保護者から教えてもらった事例で、これが4割近く。テレビや本などの媒体経由、インターネット、友人経由が続く。一方で「特に無し」、つまり教えてもらったり自ら学んだ経験が無い人も6.5%確認できる。調査母体には小学生も含まれることから「パソコンや携帯電話を使い始めたばかり。教わる機会をこれから設けてもらう」などのパターンも想定されるが(実際、詳細データの限りでは小学生が12.4%、中学生が4.0%、高校生が3.5%を示している)、この値は無視できるものでは無い。

経年推移を見ると、携帯電話契約時の説明(特にフィルタリング関連)の促進が行われていることもあり、「機器購入時に店員に教えてもらった」とする回答率が少しずつ増えていた。しかし2014年以降は減退を示しており、残念な形となっている。

他方「特に無し」は少しずつ減り、「学校で教えてもらった」「保護者から教えてもらった」は増加を示しており、関係界隈における啓蒙活動の促進が成されていることが分かる。スマートフォンの普及に留まらず、携帯ゲーム機など多種多様な機器でインターネットへのアクセスが容易になったことから、子供を見守る立場の大人たちが一体となって鋭意努力を重ねていることがうかがえる(ただしこの数年では「保護者から教えてもらった」はあまり動きが無くなっているのが気になるところ)。また「インターネットで」との回答も少しずつだが増えている。

「保護者から教えてもらった」はここ数年は1/3強に及んでいる。とはいえ、見方を変えれば2/3近くは保護者からネットマナー・リスクについて教えてもらっていないことになる。詳細データを確認すると、照れなどもあるのだろうが、子供の年齢が高くなるほど保護者から教わる率は低下する傾向がある(小学生43.1%、中学生40.4%、高校生30.4%)。もう少し、保護者側の積極的な教育啓蒙姿勢をお願いしたいところだ。

もっとも小学校はともかく、中高生を子供に持つ保護者の場合、それも難しい。教えさとす場合には、まず保護者自身が十分な情報知識を得る必要があるからだ。

↑ 保護者自身は青少年に不適切なサイトやネットいじめの問題などインターネットの危険性について、これまで説明を受けたり学んだ事があるか(複数回答)
↑ 保護者自身は青少年に不適切なサイトやネットいじめの問題などインターネットの危険性について、これまで説明を受けたり学んだ事があるか(複数回答)

あくまでもこれは学んだ経験があるか否かであり、最初から不足なく知識を持ち合わせていれば問題は無いが、すべての保護者がそのような技術を持っているとは考えにくい。その上で、この学習・説明経験率はいくつかの項目で明らかに上昇を継続しており、状況は改善されていると判断はできるが、それでもまだ不足していることも否めない(「友人から教えてもらった」が継続的に減少しているのは気になる動きだが)。

保護者も子供とともに学ぶ姿勢こそ、求められているのかもしれない。



海外の事例だが、【米社会の子供達のネットとの付き合い方を箇条書きにしてみる】などで解説しているように、インターネットを介した子供のトラブルが社会問題化している。日本でも携帯電話へのフィルタリングを中心に、子供のネットリスクへの問題が「子育て」の観点でも重要課題の一つとなりつつある。またスマートフォンでより一層インターネットへのアクセスが可能になったことから、大人の悪しき策謀にとらわれる子供の事例も増えている。

保護者の立場にある人は、インターネット利用時の注意について放置したり学校に任せきりにすること無く、積極的に啓蒙していくべきだろう。もし自分の知識が足りないと自覚するのなら、自らもともに学ぶ姿勢で望むことをお勧めしたい。

さらに言えばこれらの啓蒙はされた・されないの二択で事が済むのでは無く、どこまで実践的・有効的な内容か、そして教わった子供達がそれを知識として身に着け、行動に反映させるかが肝心。教育、教示情報の質的向上への模索や、反復性のある周知も求められよう。