LINEが「LINE Payカード」でつけていた2%還元サービス終了を発表、一部の人に衝撃が走っている。しかしモバイル決済という観点から見ると別のことが言えそうだ(写真:Uchico/PIXTA)

今やLINEは老若男女が使っているメッセンジャーアプリですが、同社のサービスは金融などほかの分野に広がっています。

突如発表!LINE Payカードの「2%還元」終了へ

そのLINEでちょっとした「事件」が起きているのをご存じですか? きっかけは3月30日の同社のHPで発表されたリリース。そこには「カード好き」「ポイント好き」の人たちが「震撼」するような内容が書かれていました。いろいろなところで使えて、しかも2%という高還元率で名高い「LINE Payカード」が、5月末をもってポイント特典を終了するという内容だったからです。

ネットには「【悲報】LINE Pay2%還元終了のお知らせ!」などといった「速報」が数多く寄せられました。

確かに、過去にも、有名な高還元率カードは内容変更をする例が多く、高還元率カードの内容変更はいわば宿命とも言えます。しかし、やはりメインカードとして積極的に活用していた人にとっては、かなりショッキングなニュースには違いありません。

一方で、今回の同社のリリースは本当にただの「改悪」で、「残念」なだけなのか、さっそく考えてみたいと思います。


「LINEPayカード」は5月末で2%還元を終了へ。ショックが走った(筆者撮影)

そもそもLINE Payカードは2016年3月に発表されました。おカネを先に入金して利用する「プリペイド」型のカードで、JCB加盟店でおおむね利用することができます。クレジットカードとは違い、先におカネを入れて使うため家計管理がしやすく、そのうえ、還元率が2%とあって、カード業界では瞬く間に話題の中心になりました。

私もサービス開始後すぐに申し込み、使い始めましたが、2016年は4〜12月のわずか9カ月間で約5万円相当のポイント還元を受けました。iPhoneやパソコンを買い換えたり、一時的に還元率4%というキャンペーンを実施していた時期もあったため、余計にまとまった恩恵を受けました。付与されたポイントはLINE Payの残高としてチャージできるため、まさにさながら現金のような使い勝手です。

さて、LINE Payカードが一気に有名になったわけですが、LINEの金融サービス全体のなかで考えていくと、もともとは2014年12月からスタートしたモバイル送金・決済サービス「LINE Pay」が先にあります。その後、LINE Payのサービスの一環として、発行された「実物カード」が「LINE Payカード」ということになります。

実際、「LINE Pay」のサービスは実物カードに限りません。たとえば衣料通販大手スタートトゥデイの「ZOZOTOWN」などでネットショッピングをする場合は、いちいちカード番号を入力しなくても簡単に決済できます。また実店舗でQR/バーコードを読み込んで支払いを済ませるサービスや、個人間で割り勘や借りたおカネを返すための送金を行うサービスなどもあるのです。


スマホでQRコード決済。もうお財布はほとんど不要だ (筆者撮影)

いずれも、現金やお財布はおろか、カードすら取り出すことなく、スマホで決済を終わらせてしまうことができるモバイル決済を実現させるサービスといえます。こうしたモバイル決済を推進しようとする意図が感じられる中で、「LINE Payカード」のほうが、むしろ異端の存在だったと言えるのかもしれません。

最近のLINE Payは、店舗や商品、期間こそ限定されるものの、QR/バーコードを使った決済を行えば、たとえばアクアシティお台場では18%、全国のローソンでは15%、といった「スペシャルな還元率」でポイントを付与するキャンペーンを多数行っています。LINE Payとしては、実物カードよりもQR/バーコードでの決済を推進したい考えを感じ取ることができます。

今後はLINE Payカード以外でもポイントが付与?

今後、LINEは決済サービスを拡充するにあたり、どんなことを考えているのでしょうか。HPでは、LINE Payカードのポイント特典終了と同時に、以下のような案内もされています。

「2018年6月1日(金)からは、コード支払いをメインにLINE Payのサービスのご利用全体(LINE Pay カード含む)を対象にした利用特典プログラムに変更となります。LINE Payサービスのご利用度合いによって最大2%のLINEポイントが還元されます」

これまでは

・ネット上のLINE Pay決済 → ポイントはつかない
・店舗でのQR/バーコード決済 → ポイントがつかない(限定キャンペーン除く)
・個人間送金 → ポイントがつかない
・LINE Payカードで決済 → 2%のポイント還元

となっていました。あくまでコード支払いがメインという案内ではありますが、「LINE Payカードだけでなく、LINE Payサービス全体で最大2%のポイント還元が予定されている」ということであれば、嬉しい側面もありそうです。

新しい特典内容がまだ出ていないため、はっきりしませんが、カードを利用したとき以外にもポイントを得られるのであれば、「一律2%」ほどのインパクトはなくとも、スマホで決済できる便利さと、ほどよいお得の両方を得られる可能性もありそうです。

現金→カード→モバイル決済、決済スタイルは進化する

私の最近の個人的なお気に入りの決済スタイルは、Apple PayのモバイルSuicaにLINE Payカードを使ってチャージをし、支払うという方法です。チャージはスマホで行えますし、店頭でもスマホをかざすだけなので、カードもお財布も出さず支払えてポイントもたまります。楽でポイントもたまる決済スタイルに慣れてくると、買い物のときにカバンからお財布を出すことすら面倒に感じるようになってきました。

一方で、家計管理の観点からすれば、「用途ごとに決済を使い分けたい」という思いもあります。たとえば「Suicaでは交通費しか払わない」「生活費はクレジットカードで」、などと用途別にカードを使い分けてしまえば、買い物の都度分類しなくても、カードの明細や合計額がそのまま家計簿代わりになりえます。

モバイル決済の選択肢が少ないと、便利でお得な組み合わせが限定的となり、家計管理のしやすさとの両立はやや困難になるシーンもあります。
そうした意味ではLINE Payが、カードだけでなく、ほかのモバイル決済系のサービスについてもポイントを付与してくれるかもしれないという内容には、少し明るいものも感じます(現時点ではQR/バーコード決済できる店舗が多くないこともあり、カードに2%還元がつかなくなることのダメージは確かに大きいのですが)。

もしかしたら、今後は家計管理の方法が、現金で袋分け→用途別カード→用途別モバイル決済と変遷していくのかもしれません。システム開発用語にFit&Gapという言葉があります(私は6年半システムエンジニアをしていて、主にこのFit&Gap工程を担当していました)。システムのパッケージ商品が想定している業務と、導入先企業の運用の合うところ(Fit)と合わないところ(Gap)を洗い出し、うまく使っていく、あるいはカスタマイズしていく工程のことを指します。

家庭においても、新しいサービスの特徴をとらえて、合うところ、使い方の工夫をするところを整理して、便利やお得を実現するFit&Gapを意識できると理想的ですね。