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●「+メッセージ」のアドバンテージ

NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクは10日、新コミュニケーションサービス「+メッセージ(プラスメッセージ)」を発表した。スタンプが送れるなど、その機能からはLINE対抗のサービスにも見えてしまう。果たしてどうなのだろうか。

○「+メッセージ」とは

「+メッセージ」はSMSを進化させたメッセージサービス。SNSでは全角最大70文字しかテキストを送れず、写真・動画などのコンテンツも送信できなかった。対して「+メッセージ」では、3社契約ユーザー間で、全角最大2730文字までテキストを送信でき、写真・動画、スタンプ、グループメッセージ、音声メッセージ、地図情報も送れる自由度の高いものとなる。

送信したメッセージは、既読/未読が記される。サービス開始時には、500点の無料スタンプを提供予定だ。まるでLINEのメッセージサービスのようにも思えるが、アドバンテージはないのだろうか。

ドコモらが押すのは、携帯電話番号さえ知っていれば、メッセージを送信することができるという点だ。端末の連絡先と連動しているため、手軽に始められ、もし、不明な差出人からのメッセージが届いても、「未登録」と明記されるため、安心して利用できるとしている。もちろん、LINEにも携帯電話番号を利用した友だち追加機能は存在するが、条件があり、キャリア提供のサービスよりは利用のハードルが高い。

○LINE対抗のサービスではない

LINEとの間にわずかな違いがあるが、「+メッセージ」をLINE対抗の新サービスと見てしまうのは仕方がないことだ。しかし、発表会に登壇したNTTドコモ スマートライフビジネス本部 スマートライフ推進部 コミュニケーションサービス担当部長の藤間良樹氏は「対抗意識はない。SMSの正常進化、機能拡張だ」と断言する。にわかには信じがたかったが、サービス開始の経緯を知ると、同氏の言葉に偽りはないとも思えてくる。

そもそも、「+メッセージ」は携帯電話事業者の業界団体「GSMA」で世界的に標準化されているRCS(Rich Communication Services)に準拠したものであり、国内の3キャリアが共同で考案したサービスではない。このRCSがLINEのメッセージサービスと同等だった考えるべきであり、国内で影響力を強めるLINEの現状を分析したうえで3キャリアが始めたわけではないことだ。

藤間氏は「RCSはサービスの拡張性と互換性で国際的に注目を集めている。今後1年でさらに30カ国40キャリアで導入が予定されている。グローバルでの可能性を考えてRCSを採用した」と話す。同氏の発言からは、グローバルトレンドに後れをとらないために、始めたコミュニケーションサービスと認識したほうがいいだろう。

●結果的にはLINE対抗サービスに?

○最後はLINE対抗になるかもしれない

とはいえ、ややこしいのは、最終的にLINE対抗となってもおかしくないことだ。「+メッセージ」を単なるコミュニケーションツールとして提供するだけではなく、今後は企業とユーザーをつなぐコミュニケーションプラットフォームへの進化を図ろうと考えているからだ。カスタマーサポートや申込手続、予約確認、リマインド通知といったサービスの提供も検討しているという。

もちろん、先々のサービスの広がりについても、サービス開始の経緯に照らせば、LINE対抗ではなく、GSMAの流れに乗ったもと考えたほうが自然だ。となれば、RCSの他国での使用ケースを見ることで、具体的なサービスについてイメージが見えてくる。

GSMAのウェブサイトを見てほしい。ここにはRCSの利用ケースが動画で紹介されている。メッセージアプリからピザを注文する、Booking.comの予約を確認するなど様々なデモが公開されており、こうしたサービスが将来、同一規格の「+メッセージ」に実装される可能性はありそうだ。

詰まるところ「+メッセージ」について国内のみで見るならば、LINE対抗サービスと表現されてしまう。しかし、RCS準拠という側面を見るならば、むしろFacebook対抗サービスと見るほうが適当なのかもしれない。

いずれにせよ、「+メッセージ」がLINE対抗サービスになるとして、一気に主導権を奪えるようになるとは思えないことだ。ユーザーを拡大し、利用率を上げ、継続的に高い状態にもっていかなければならない。そうでなければ、お金を出す企業も近寄らず、ビジネスとしても成り立ちにくいように思われるからだ。先を語る前に、「+メッセージ」の魅力を高めていくことが必要になるはずだ。