従業員の離職や採用難で人手が確保できず、収益が悪化して倒産する企業が増加している。帝国データバンクは4月9日、2017年度の「人手不足倒産」が114件に上ったと発表した。

「人手不足倒産」の件数は、集計を始めた2013年以降4年連続で前年度を上回っている。2013〜2017年度までの5年間では、累計371件に上った。

老人福祉事業でも、介護スタッフ不足などで倒産が発生

業種別では、建設業が31件で最も多く、次いでサービス業が27件だった。過去5年間の累計でも建設業が129件で最多。サービス業が106件で2番目に多い。

「業種細分類」でさらに詳しく見ると、最も件数が多いのは「道路貨物運送」の10件。同社の調査報告書によると、「景気回復や通販市場の拡大を受け、配送需要が拡大基調のなか、ドライバーを確保できずに新規の仕事を受けられず、固定費負担が経営を圧迫した」という。

次いで多かったのは「木造建築工事」(7件)。職人不足で受注が減少したり、外注費の負担が増加したりしたことで倒産に至る企業が多いという。また、「老人福祉事業」(4件)では、介護スタッフが確保できずに入所者を受け入れられないことなどが原因で倒産が生じている。

報告書では、倒産の背景について次のように指摘している。

「従業員の定着率向上や新規採用を図るため、賃上げの機運が高まるなか、やむなく賃上げに踏み切ったものの、生産性の向上を果たせずに倒産に追い込まれるケースが散見される。(中略)とりわけ人件費上昇分を製品やサービス価格へ転嫁しづらい小規模企業を中心に、さらなる人手不足倒産の増加が懸念される」