ECサイト「海のヒットマン」では6人の漁師に仕事を依頼できます

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 漁師に仕事を依頼できるECサイトが先日、オープンしました。宮城県石巻市の漁師6人の中から選んで、カキやホタテ、ホヤといった海の幸を直接送ってもらったり、漁師が神経〆を施した魚の料理を東京で味わったり。「水産業の担い手不足を解決するため、若い人と漁師の接点を作りたい」と話す企画団体の担当者に話を聞きました。

【画像】依頼可能な漁師6人と、仕事の一部を紹介。牡蠣やホヤの直送だけでなく、仕事見学やライブ配信も

ECサイト「海のヒットマン」

 3月29日にオープンした、漁師に仕事依頼できるECサイト「海のヒットマン」。サイト上にはこんな説明書きがあります。

 「ようこそ、石巻が誇る漁師に仕事を依頼できるサイトへ。お店に行き、魚をえらぶ。漁師のことは何も分からないまま。そんなお買い物体験が、ついに変わります」

 「まず漁師をえらぶ。確かな技術に惚れ込んだら、仕事を依頼。あなたのために腕をふるい、石巻から最高の海の幸をお届けします」

 まるで必殺仕事人のようなビジュアルで、「細胞レベルで海苔の変化を見抜く求道者」「過酷な大自然から牡蠣を守る用心棒」といった具合に、それぞれの特技が紹介された漁師6人が登場します。

 例えば、「死を悟らせぬ神経〆の風雲児」こと大森圭さんに依頼できる仕事には「神経〆をスペシャルランチで味わう」(22000円)というものがあります。

 スペシャルランチは4月29日に東京都中野区で開催。大森さんが神経〆を施した魚をランチで提供する企画で、料金は2人1組分です(それぞれの料理5品とドリンク代含む)。

 「声なき声に耳を傾ける活かし込みの手練」こと阿部誠二さんに依頼できる仕事は、「鮮度際立つ生ホヤを手に入れる」(2700円)。

 鮫浦湾で手塩にかけて育てられたホヤの中から、最高の10個を阿部さんが厳選して納品するという内容です。

広報担当者に話を聞きました

 他にも、「殻付き生牡蠣(10個)を手に入れる」(3600円)、「生ワカメまるごと一本を手に入れる」(2350円)といった依頼に加えて、「必殺の技を伝授!弟子入りする」(3500円)、「ホタテ水揚げをライブ配信」(300円)といったものまであります。

 企画した一般社団法人「フィッシャーマン・ジャパン」(石巻市)の広報担当・安達日向子さんに、詳しく話を聞きました。

 ――「海のヒットマン」を始めようと思ったきっかけは

 漁師人口が減少している中、漁業活性化のために「カッコよくて、稼げて、革新的。」という新3Kを合言葉に、様々なプロジェクトを起こし、若者を中心に漁師に興味を持ってもらうための取り組みを行っています。

 2017年に、漁師が起こしてくれるモーニングコールサービス「フィッシャーマンコール」の話題化に成功したことをきっかけに、より若者と漁師を近づけるチャレンジとして、今回の企画を実施しました。

 ――「好きな漁師を選び、その漁師に仕事依頼をする」というアイデアはどのようにして生まれたのでしょうか

 通常、スーパーや魚屋さんに足を運んで好きな魚を選んで購入する、という方法が一般的ですが、その購入過程で漁師の存在を意識する機会はありません。

 そこで、「魚ではなく漁師を選ぶ」という仕組みをつくれば、漁師の存在や仕事に興味を持ってもらいながら、新しい魚の購入体験として多くの人に楽しんでもらえると考えました。

実現可能かつ依頼したくなる内容を

 ――依頼できる仕事はどのようにして決めたのでしょうか

 今回企画に協力してくれた宮城県石巻市の漁師ひとりひとりの個性や特徴に沿って仕事内容を洗いだし、漁師本人と相談しながら、実現可能かつ依頼したくなる内容のラインナップをつくりました。

 「未来の水産業の担い手を育てたい」という思いのある漁師が協力してくれたので、興味を持った人がもっと海の世界に近づけるように、漁業体験の受け入れや弟子入りといったアイデアも漁師と一緒に考えました。

 ――企画する上でこだわった点は

 どうやったら仕事を依頼したくなるか?という視点で、プロとしての漁師の存在感を、どういう世界観やビジュアルで表現するか、とことんこだわりました。

 漁師の方はモデルではないので、みなさん撮影慣れしていないのですが、ひとりひとりの個性やかっこよさを引き出すべく、撮影のクオリティーの追求には全力をそそぎました。

 時間もかかり苦労しましたが、かっこよくてインパクトがあり、ひとりひとりの技が光るグラフィックに仕上げることができ、よかったです。

 ――すでに実行済みの依頼もあるんですか

 ホヤの捕獲や海苔セットの発送は数日以内に完了する予定です。また、海苔の工場見学や、大森圭のスペシャルランチは開催が決定しています。そのほか注文が入ったものは順次発送・開催する予定です。

水産業の担い手不足を解決するために

 ――企画を通じて伝えたいことは

 この企画の目的は、水産業の担い手不足を解決するために、まずは若い人と漁師の接点を作る、ということです。担い手を増やすには、まず若い人に水産業に興味を持ってもらうことから始まると考えています。

 一口に漁師と言っても、 漁船漁業と養殖漁業があり、漁船漁業には巻き網・はえ縄など様々な漁法があります。養殖でも魚種によってその仕事内容は違いますし、事業者によってこだわりも違います。

 実はものすごく多様な広がりがある、とっても面白くて奥深い世界なのです。ひとたびフックがかかれば、そこに飽くなき探求が待っています。たくさんの方が水産業に興味を持ってくださって、若い人材が未来の水産業に参加してくれるようになったら、と願っています。

 ――「気になる」「頼んでみたい」という人に向けてメッセージを

 一番お手軽なのは、海のヒットマンの技を限られた方にだけ限定配信するライブ配信です。また、石巻で漁業体験や工場見学も用意していますので、足を伸ばして、海のヒットマンの技を暴いてみませんか? もちろん、サイトを楽しんでいただけるだけでも嬉しいので、海のヒットマンをぜひシェアしてください。