ウーバーの事故が語る、自動運転技術の真実 AIと人間の共同作業は疑問?

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 ウーバーテクノロジーズ(Uber Technologies、以下ウーバー)が起こした歩行者死亡事故について、批判が高まっている。ウーバーの自動運転技術のレベルが低いのではないか?との疑問が起きているのだ。

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 テンピ市警察は、2018年3月18日(現地時間)午後10時ごろに起きた事故について、当初「人間のドライバーでも避けられない事故であったのではないか」と発表していたが、事故当時の車載カメラの動画記録が発表されると、異論で盛り上がっている。

 日経XTECH 「ウーバーの自動運転技術、信頼しがたい」 によると、“ウーバーの自動運転車には、3次元レーザーレーダー(LiDAR)を搭載している。LiDARがあれば、暗闇でも障害物を発見できるはずであった。実際に米グーグル(Google)系の自動運転技術開発会社、米ウェイモ(Waymo)は2018年2月に公表したセーフティレポートで、LiDARやレーダーなどを搭載する同社の自動運転車が全方向に対して300メートル先まで障害物を検出できると主張している。しかも検出した障害物に関しては、それが車両なのか自転車なのか歩行者なのかを識別し、今後どのような行動をするかまで予測できるとする。”

 さらに、この記事によると“自動運転技術の水準を示す数値に、「人間のドライバーによるAIからの運転の引き継ぎ(Disengagement)が発生した頻度」がある。”として各社の比較表が掲載されている。

 その中で、ウーバーは「13マイルに1回」の引き継ぎ頻度であり、1位「ウェイモ5596マイルに1回」、2位「ゼネラルモーターズ1254マイルに1回」、3位「日産自動車207マイルに1回」、10位「BMW3マイルに1回」、12位「メルセデスベンツ1マイルに1回」などが掲載されている。そもそもウーバーはこの順位に掲載されていないが、それは「各社のカリフォルニア州へのレポートを元に本誌が集計」としている表であり、ウーバーがカルフォルニアでのテストを行えない状態であることを暴露している。

 事故はアリゾナ州テンピ市での公道テストで起きており、アリゾナ州ではカリフォルニア州のように、データの報告で義務がないようだ。つまりウーバーは規制の緩いアリゾナ州でテストしていたことになり、事故前に技術レベルが桁違いに低いことを発見できなかったということのようだ。

 自動運転技術の開発には公道テストが必要だが、「緊急ブレーキのようにAIが人間をバックアップ」するのであれば、安全性は向上するが、「人間がAI自動運転の緊急時バックアップ」するような形態には問題が多い。ウ-バーの事故時の運転手の様子では「前方不注意」となっており、人間がAI自動運転時に緊張感を維持していくことは難しい。人間は「余裕を使い果たす」動物だからだ。

 完全自動運転車が完成するまで、「運転支援システム」と呼ばれるAI装置の販売は自粛すべきではないのか?当面は緊急ブレーキぐらいにしておいて、自動運転のデータだけ取ることも可能であろう。AIは装備して実際に操作せず、AIと人間の判断を比較するのだ。夢ばかりが先行してAIを過信してもいけないし、データを集めねばなるまい。もっと多方面の専門知識を取り入れるべきだろう。