アマゾン・ドットコムは、同社のAI(人工知能)アシスタント「Alexa」を使って、利用者同士がお金のやり取りをできるようにするサービスを開発しているという。

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ベゾスCEOが推進する新たなビジネス領域

 このニュースを伝えた米ウォールストリート・ジャーナルによると、アマゾンがこうしたサービスを拡充することで、Alexaへの消費者の支持がさらに高まる可能性があるという。

 また、主力事業のeコマースのほか、クラウドコンピューティングや、エンターテインメントサービスも手がけるアマゾンは、新たなビジネスを探索している、とも同紙は伝えている。

 もし、個人間送金サービスが立ち上がれば、現在、銀行やクレジットカード会社が支配している決済サービス市場に、アマゾンが本格参入することになる。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、この計画は、ジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)が推し進める金融サービスに関する、より広範な事業計画の一環。

車載Alexaでガソリン代の支払いも

 例えば、ベゾス氏は、消費者が、乗用車に搭載されたAlexaを使い、ガソリンスタンドでガソリン代を音声命令で支払うという仕組みも検討している。

  事情に詳しい関係者によると、同氏は昨年(2017年)、複数の従業員に対し、金融サービスに取り組むプロジェクトを推し進めるよう指示した。また同社は、組織再編も行い、「Amazon Pay」をAlexa開発の部門に組み入れたという。

 Amazon Payとは、アマゾンが他社のeコマースサイトに対し、決済手段を提供するサービスだ。顧客は、アマゾンのアカウントを使って、それらeコマースサイトにログインし、アマゾンに登録したクレジットカードで決済する。同社は、これにより手数料収入を得ている。

 アマゾンはこの仕組みをeコマースサイトだけでなく、実店舗にも展開することを検討しているとウォールストリート・ジャーナルは伝えている。

大手銀行との連携も協議中

 アマゾンの金融サービス市場に向けた取り組みについては、これまでにも、さまざまに伝えられている。例えば3月には、同社が、当座預金に似た金融サービスを開発すべく、米国の大手銀行と協議していると、報じられた。

 報道によると、アマゾンはこの計画に関し、数行の銀行から提案を募った。今は、米大手銀行のJPモルガン・チェースと米地銀大手のキャピタル・ワンなどから出された案を比較、検討していると、事情に詳しい関係者らは話している。

(参考・関連記事)「アマゾンが金融サービスに参入?」

 こうして、漏れ伝わる同社の話題をまとめると、何が見えてくるだろうか。

・Alexaによる個人間送金
・Alexaによる実店舗決済
・社外eコマースサイト向け決済サービス「Amazon Pay」とAlexaの連携
・Amazon Payの実店舗展開
・アマゾンブランドの銀行口座

 アマゾンが、これらを統合した、何か包括的なサービスを計画しているのかどうかは、今のところ分からない。しかし、同社が、決済サービス事業の規模拡大を狙っていることは確かなようだ。アマゾンは、AIアシスタントサービスを、次世代小売りビジネスのプラットフォームにしたい考えなのかもしれない。

筆者:小久保 重信