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3年連続の3月採用広報開始となった2019年新卒採用は、インターンシップの最低日数要件が緩和され、1日で完結するキャリア教育プログラムなど採用広報解禁前からの接触が増加。人材獲得競争が激しさを増す中、学生の就職に対する意識はどう変わったか。その変化を読み解く。
(調査・分析/(株)ダイヤモンド・ヒューマンリソース 新卒メディア事業局 局次長 高村太朗)

 三菱商事をはじめ、三井物産(2位)、伊藤忠商事(3位)、住友商事(4位)、丸紅(6位)、豊田通商(8位)とベスト10に総合商社が6社ランクインした。

 1位の三菱商事は、16年度採用は163人中46人、17年度は159人中45人が理系であり、実績からも理系学生への期待の高さがうかがえる。また、数年前からホームページ上で「社員紹介センター」を公開し、採用実績の少ない大学の学生に向けたOB/OG訪問の機会を提供しており、相対的にOB/OGの少ない理系学生からの評価も高い。理系の採用実績と学生へのきめ細かい対応が人気を集めた要因であろう。

 2位の三井物産は、非メーカーでは珍しく採用ページに「#理系」というハッシュタグを設置、先輩社員と話せる「MITSUI & CO. Active Talk Lounge 社員との座談会」も好評だ。

 メーカーで唯一ベスト10にランクインしたサントリーグループ(7位→5位)をはじめ、アサヒビール(22位→18位)、キリン(35位→23位)といった飲料系の大手食品メーカーが人気を集めた。これは膨大な量のプロモーションとエンドユーザーとしての親近感によるものと思われる。

 大手電機メーカーは、昨年同様、トップ10入りはならなかったものの、日立製作所が昨年と同じく11位、パナソニック(50位→26位)、ソニー(43位→28位)が順位を上げるなど復権の兆しが見え始めた。一時の業績不振を脱し、採用人数も上昇に転じたことが好感されたのであろう。一方で自動車メーカーは、本田技研工業(59位→34位)、トヨタ自動車(35位→35位)、日産自動車(圏外)、デンソー(71位→88位)といずれも30位にも届かない厳しい結果となり、好調な業績が人気の回復にはつながっていない。

 大手SIerのNTTデータ(21位→15位)、野村総合研究所(41位→19位)、Sky(圏外→21位)は人気が上昇した。

 NTTデータは、8月から9月にかけて6週間にわたりサマーインターンシップを開催したほか、YouTubeを活用して「NTTDATA MOVIE」と題した複数のコンテンツ「IT業界・プロジェクト編」「会社概要編」「仕事・キャリア・選考編」を提供し、学生の目線に合わせた採用プロモーションが好評を博した。

 圏外からランクインしたSkyは、企業内情報セキュリティー分野で先行し、好調な業績を背景に今後事業拡張の計画を打ち出していることや、複数年にわたり「好働力」を採用コンセプトとした積極的な採用姿勢と、有名俳優を起用した企業プロモーションによる知名度の向上などが奏功し、学生の人気を集めたと思われる。

 昨年フィンテック分野で注目され人気を集めたメガバンクは、みずほフィナンシャルグループ(15位→32位)、三菱UFJ銀行(10位→37位)、三井住友銀行(18位→77位)と大幅に順位を下げた。銀行業界は、昨年にも増して理工系学生の積極採用を表明している中、厳しい結果となった。