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 「富士フイルム、コンクリートのひび割れをAI解析で点検。ゼネコン向けなど社会インフラ事業参入」というニュースが、4月早々に飛び出した。例えば橋梁のコンクリートの表面をデジカメで撮影しサーバーに送信する。これを人工知能で解析し幅0.1ミリ以上のひび割れを検知。画像上に赤色で示し補修に繋げる。医療用画像診断システムで培った技術を応用し可能にしたという。

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 必要があり、ミズホメディーという企業を調べた。インフルエンザに代表される感染症の「陽性・陰性」を判断する試薬企業である。「クイック チェイサー Immuno Reader II」という判断を迅速化する機器を知った。富士フイルムがやはり、医療用画像診断システムを活用し開発した製品だった。

 富士フイルムは富士フイルムホールディングス傘下の一社。手掛ける事業をアナリストは、こう説明する。

『イメージングソリューション』―カラーフィルム・デジカメ・光学デバス・フォトフィニッシング機器・写真プリント用カラーペーパー&薬品などの商品を取り扱う。

『インフォメーションソリューション』―メディカルシステム機材・ライフサイエンス製品・医薬品・フラットパネルディスプレイ材・電子材料等の開発・販売がマター。

『ドキュメントソリューション』―同じ富士フイルムホールディングス傘下の富士ゼロックスで展開。主たる商品はプリンター・複合機・シュレッダー等々。

 この他にもグループの総務・購買・人事などを担う「富士フイルムビジネスエキスパート」はともかく、「富山化学」がある。感染症・炎症・神経疾患領域の「医療用医薬品事業」を展開している。「新商品開発力に定評がある。例えばT-705(抗ウィルス剤)やT-817MA(アルツハイマー型認知症治療剤)がパイプラインにある」(アナリスト)。

 同社は1934年に「映画フィルムの国産化」を目指し、創業されている。その後、写真フィルム事業を軸に現在の富士ゼロック領域の事業に参入。そして80年代デジタル化事業に舵を切り今日に至っているが、驚かされるのは祖業と言ってよい写真フィルム事業の縮小化という時代の流れの中で「デジカメ」を世界で初めて開発している点である。

 富士フイルムHDは「なんの会社か」と思うのと同時に「すごい会社」という感を強く抱く。