kurosuke / PIXTA(ピクスタ)

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 人事部長や人事に関わるコンサルタントとして活動していると、社員や経営者から人事にかかわるさまざまな質問に接します。最近特に増えている内容が、残業取り扱いに関するものです。

 働き方改革を推進し、残業縮減を図る中で、スポットライトが当たっているように思えます。質問に答えながら話していると、どうやら、残業取り扱いについては、大きな思い違いがはびこっているように思えます。

 人事部から管理職へ、管理職からリーダーへ、リーダーから若手社員へと取り扱いの連絡がなされるなかで、若手社員に行き着く頃には、まるで伝言ゲームのように、間違った解釈が伝わってしまうことが多いのかもしれません。今回は、残業にまつわる間違った取り扱いや誤解を取り上げます。

◆残業圧縮のために早朝出勤が奨励されている

 最初に取り上げるのは、早朝出勤です。残業縮減と、勤務時間の柔軟性を上げる観点から、早朝出勤を奨励する企業が増えています。

 会社が早朝出勤を奨励しているのは、残業縮減のためだという目的ばかりが前面に出ているので、あるいは、残業という文字から、勤務時間内の後、残って業務を行うという意味にとれからかもしれませんが、早朝出勤をしても残業手当が支給されないと思い込んでいる人が多いようです。

 しかし、管理職や裁量労働制の対象者など、別途、就業規則や労使協定で取り決めがなされていない限り、早朝出勤も残業手当が支給されるのです。

 残業手当という表現ではなく、時間外勤務手当という表現をすれば、わかりやすいと思います。9時から18時が就業規則で決められた勤務時間だったとします。休憩時間などの取り決めがなければ、18時以降、ならびに、9時以前は、時間外勤務手当の支給対象なのです。さらに、22時以降、ならびに、5時以前は、時間外勤務手当に加えて、深夜割増分が加算されます。

◆休憩時間が就業規則に記載されているか

 休憩時間に関する質問も増えています。健康維持のため、昼食休憩や残業前の夕方の休憩を取ることを奨励している企業が増えているからのように思えます。質問の多くは、休憩時間は勤務にカウントされないのでしょうか…というものです。

 答えは、就業規則に休憩時間が明記されていれば、勤務時間ではないということになります。このように申し上げて、早速、就業規則を確認いただくと、昼食休憩時間は記載されていたが、夕方の休憩時間は記載されていないというケースも散見されます。

 働き方改革推進の中で、健康維持のためにしっかり休憩をとりましょうという取り組みが先行し、規定の改定が間に合っていない会社もあるようです。

◆休日出勤の取り扱いの3パターン

 勤務の柔軟性の観点からは、残業に次いで、休日出勤に関する問い合わせも少なくありません。休日出勤に関する質問の中で、私が最も気になるのは、「休日出勤手当が支給されたり、されなかったりしてよくわからない」というものや、「休日出勤して休日出勤手当をもらったという人もいれば、もらっていないという人もいて不公平だ」という意見です。

 実は休日出勤した場合の休日出勤手当の支給の仕方については、大きくわけて次の3通りがあります。

1.休日出勤日の休日を、あらかじめ定めた別の平日に振り替えて、休日出勤手当の支給がない
2.休日出勤日の休日を、代わりの任意の平日に取得し、休日出勤手当を支払う
3.休日出勤日の休日を、代わりの任意の平日に取得できなかったので、1日分の賃金ならびに休日出勤手当を支払う

 休日出勤手当の取り扱いについての懸念は、これらの3通りの休日出勤の取り扱いが明確になっていないことが生じているようです。これらのうちどれに該当する休日出勤なのかということが示されていなかったり、明瞭に説明されていなかったりするケースも散見されます。