在宅でPCやスマホ・タブレットなどを通じて世界中の講師と言葉を交わせるオンライン英会話が普及してきました(写真:DMM提供)

4月もスタートし、この春から新しい部署で海外や外国人とのやりとりの機会が増えるという方もいるのではないでしょうか。旅行で会話に不自由しない人も、英語での会議やプレゼン、書類やメールなどのビジネス英語となると、不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。

筆者はふだん留学事業のコンサルタントとして、実際に海外に渡航して学ぶことを勧めている人間です。ただ、最近はICTの活用など留学だけではない多様な学習の選択肢が増えているのも事実で、オンライン英会話に関しても以前より普及してきました。

果たして語学留学に行かなくても、オンライン英会話だけで会議などのビジネスシーンに対応できるのか、その費用対効果はどうなのでしょうか。今回は、その実力を確かめるべくレアジョブ・DMM英会話・QQ Englishを取り上げ分析しました。

オンライン英会話の老舗、レアジョブの場合

まずは、レアジョブです。

レアジョブは今年で創業10年になります。7年前からいち早くスカイプを使ってフィリピン人との英会話レッスンを始め、この業態の中では老舗といえるでしょう。2017年に上場も果たし、会員数は約60万人。利用者の多くは、直近で英語が必要になるビジネスマンが多いということですが、最近は3歳からシニア層まで年齢も幅広くなってきたということです。

レアジョブの先生は全てフィリピン人で、基本的に在宅で授業をするスタイルを取っています。そうすることで、現地の雇用を生み出し、優秀な先生の確保に努めているということです。最近はミンダナオ島にセンターも開設しており、セブ島留学のブーム『新定番のフィリピン留学は、ココを見誤るな』(2016年3月31日配信)が今でも続く中、今やフィリピン人講師の数が慢性的に不足しており、先生の確保がサービス全体の質に大きくかかわっているのです。

グローバル化が進む中で、個人だけでなく法人としての利用も伸びているそうで、導入している会社数は1650社に達しています。業種では、IT・製造業が多く、サービス業も近年伸びているということです。オンライン英会話だけで会議などのビジネスシーンに対応できるよう、ビジネス会話の教材にも注力しています。

レアジョブでは進化型のコースとして、TOEICスコア600点以上の30~40代の管理職や会社員をターゲットにした「本気塾」を開講していて、オンライン英会話と実際の英語授業のミックスでのコースも提供しています。筆者としてはビジネス英語の習得に関しては本気塾や留学との組み合わせにより、より実践型の伸びを期待できるのではないかとみています。

時差を利用した24時間365日対応のDMM

DMM英会話の大きな特徴は、先生がフィリピン人だけでなく、世界90カ国6500名もの各国の講師を擁していること。特に東欧のセルビア・ボスニアなどヨーロッパの講師も多いことが特徴です。それによって24時間365日受講することが可能となっています。

驚いたのが早朝の4時など、働きながら育児をする方の利用もあるそう。ビジネスマンの利用時間帯では、やはり夜10時半くらいが多いということですが、長く続けている方にその秘訣を聞くと、目覚まし替わりに、オンライン英会話を使うという朝活としての活用事例もあるそうです。

DMMの主な利用者層としては、PCやスマホの操作にも慣れている20代30代のビジネスマンが多いとのこと。英語の会議で発言できるレベルまでの到達に関してはDMMはどう考えているのでしょうか?


英単語アプリの「iKnow」(写真:DMM提供)

ここでは、英語の習得にかかる時間は3000時間と言われている中、その中でオンライン英会話や英単語アプリのiKnowなどのサービスを提供し、それぞれのライフスタイルに適したサービスを利用者が選択できるようにしているようです。

わからない状態からわかる状態に変わる、英語のブレイクスルーに到達できるような手段を多角的に提供することで、利用者の英語ニーズに応えようとするアプローチです。

オンライン英会話事業だけでなく、留学事業に力を入れているのもDMMの特徴。最近はフィリピン留学を中心に留学フェアを開催したりと実際に海外に送り出すサービスにも力を入れており、近年は利用者からの留学希望も増加しているようです。アプリや留学事業など英語関連のあらゆる環境整備を進めていることも特徴といえるでしょう。

フィリピンのセブ島にあるQQ Englishは日本人がいちばん初めにフィリピンに作った本格的な英会話学校です。実は留学業界では有名なこの学校、日本人のニーズに合わせた特徴を持っています。オンライン英会話もその一つです。

ロンドンのカランスクールから正式認定を受けたカランメソッドを取り入れていることが強みとのこと。カランメソッドは徹底反復により英語脳を鍛え4倍の速さで英語が伸びると言われていて、短期集中型で英語を伸ばしたいというビジネスマンに人気があるそうです。

先生の質にもこだわっていて、1000人を超えるすべての教師を正規雇用し、TESOL(英語が母国語でない人向けの英語教授法)という外国人に英語を教える国際ライセンスを取らせているとのこと。授業もセブ島のITパークと言われる経済特区のインテリジェントビルから行われているため、専用の光ケーブルで安定した授業を受けることができます。

短期集中型で英語を伸ばすことはできるのか

留学に行かなくてもオンライン英会話のみで、ビジネスで通用するスキルが身につくのか?

この質問を代表取締役の藤岡頼光氏にぶつけてみました。

「英語の学習は100時間、200時間では成果が出ません。ビジネスで使えるレベルになるには時間がかかります。25分のオンライン英会話を毎日やっても1年で150時間です。オンライン授業以外の学習が大切だと思います。授業以外の予習復習もそうですが、短期留学などを組み合わせてオンライン授業以外の時間をいかに確保するかが重要だと思います。オンライン英会話だけだとビジネスで通用するレベルになるのに4〜5年かかるのではないでしょうか」

オンライン英会話をきっかけに海外留学としてセブ島に来る方も多いそうで、「1週間、短い人は3〜4日といった短期留学でセブ島に来る方が増えています。普段はオンライン英会話で学び、休暇を利用してセブ島留学に来て特訓する生徒さんが多いです。最近はLCC(格安航空)が発達したのでオンライン英会話で学びながら1年に短期留学を何回も繰り返す方もいます」(藤岡代表)

オンライン英会話を事前研修として活用し、その実践編としてセブ島での語学留学でアウトプットするという活用方法も有効と思われます。セブ留学もリンクしているため、オンライン英会話+超短期留学のアクティブラーニングとしての選択肢も持つことができます。

英語を1日でも早く習得したいというビジネスマンの切実な要望に応えるため、以上のオンライン英会話3社では、それぞれサービスの質の向上や多様化に取り組んでいます。いずれにせよ、利用者がオンライン英会話サービスだけでなく、海外短期留学や本気塾に通うくらいの本気度があれば、ビジネスで通用する英語力を身につけることができるでしょう。