パドレス・牧田和久【写真:Getty Images】

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8回に緊急登板も1回1安打1奪三振無失点の好投を見せた牧田

 パドレス牧田和久投手が7日(日本時間8日)、敵地でのアストロズ戦に緊急登板し、1回を1安打1奪三振無失点と好救援した。昨季の世界一軍団MVP・アルトゥーベを空振り三振に斬った一球を米メディアも「まさに重力に逆らう投球」と脱帽している。

 不測の事態にも牧田は動じなかった。0-0で迎えた8回、パドレスは3番手イエーツをマウンドに送ったが、1球を投げたところで降板。サブマリン右腕が緊急登板することになった。先頭・ブレグマンには右前打を浴びたが、続くアルトゥーベは1ボール2ストライクの6球目で空振り三振。最後はコレアを一直に打ち取り、飛び出していた一塁走者ブレグマンもアウト。併殺プレーに仕留め無失点に抑えた。

 圧巻だったのはアルトゥーベを仕留めた直球だ。試合を中継した地元テレビ局「AT&Tスポーツネット」の実況は「まさに重力に逆らう投球です」と大興奮。サブマリンから投じられた地面スレスレのボールは打者の顔付近の高さまで浮き上がり空振りを奪った。

浮き上がる直球に「ライジング・ファストボール」の声

 これには現役時代の2005年にホワイトソックスで世界一に輝いた経験を持つ解説のジェフ・ブラム氏も「多くの打者は投手と目線を合わせようとしますし、投手は上から下に投げ下ろしてきます。ただマキタは違います。彼のボールは上昇してくるのです」と称賛した。

 また、敵地で中継した「FOXスポーツ・サンディエゴ」も牧田の一球を絶賛。81マイル(約130キロ)の浮き上がる直球を「ライジング・ファストボール」と表現し、解説のマーク・グラント氏は「素晴らしいボールの軌道です。浮き上がってきました。アルトゥーベのヘルメットの高さまできました」と驚きの声を上げ、笑うしかなかった。

 牧田は3日(同4日)のロッキーズ戦でメジャー初失点を喫したが、これで4日(同5日)ロッキーズ戦に続き2戦連続で無失点リリーフと調子を上げてきている。ここまで4登板で0勝0敗、防御率2.25。サブマリンから放たれるという唯一無二の「ライジングボール」を武器にパドレスの救援陣を引っ張っていく。(Full-Count編集部)