ブランデッドコンテンツのような新しい広告フォーマットに、ブランドたちは広告予算を投入している。しかし、ブランドが使っているメディアエージェンシーがときとしてセールスの障害となることがあるようだ。

業界関係者に匿名で内部の事情を赤裸々に語ってもらう「告白」シリーズ、本稿では新しい広告フォーマットをメインに据えて利益を得る、メディアエグゼクティブに語ってもらった。

彼らの広告フォーマットには、ブランデッドコンテンツや対面形式でのイベントなどがある。こういった広告取引を行ううえでの最大の障害は何か、彼に語ってもらった。

――あなたのビジネスにおける最大の障害は何か?



メディアエージェンシーたちが消えてしまえばいいのにと思う。

――それはなぜか?



メディアエージェンシーたちのインセンティブは、イノベーションを起こすことではない。彼らはまだウェブベースのインプレッションやバナー広告、プログラマティック広告の世界に生きている。そこではあらゆることが定量的に測れないといけない。しかしデジタル広告が先に進むためには、まだ行われていない物を発明しなければいけない。新しいマーケティング方法、マーケティングの成功・失敗を測定する新しい手法、を考えないといけない。

しかし、現状のモデルでは、メディアエージェンシーは厳密なフォーマットによってキャンペーンの成功を測ることを求めてくる。彼らはいまになっても、ソーシャルマーケティングを測定する方法も見つけ出せていないんだ。

――メディアエージェンシーを避けるための努力をしているのか?



我々は常にメディアエージェンシーを避けようとしている。いままでのところは幸運なことに成功してきた。ブランドと直接の関係を持つことは決定的に重要だ

――それでもメディアエージェンシーたちは、そのあいだに入ろうとしてくるのか?



そうだ。ときどき契約上、メディアエージェンシーが関わらなければいけないことがある。しかし、ブランドのなかにはちゃんと理解をしてくれて、我々ともメディアエージェンシーとも、ともに上手くやる方法を見つけるようにすると言ってくれるところもある。ブランドと直接仕事をしていて、そこに彼らがメディアエージェンシーを入れてくる、という例はたくさん存在している。関わっている全員で、上手くいく方法を探ろうとするわけだ。

しかし、多くの場合、メディアエージェンシーに対してマーケターがチームのやり方を説得する、ということが起きる。それに対してエージェンシーたちは「何でこんなにたくさんのお金をここに使うのか」「これは理にかなっていない。我々のやり方ではない」と主張する、といった具合だ。メディアエージェンシーからは常に「我々のやり方に落とし込まなければいけない」といったやり取りが出てくる。それが取り引きを台無しにしてしまうこともある

――メディアエージェンシーがブランドとの取り引きを台無しにしてしまう例とはどんなものがあるか?



多くの場合、メディアエージェンシーはスプレッドシートに物事を落とし込みたがる。「これがインプ」で「これがリーチ」といった具合だ。しかし、彼らのモデルは、大きなオーディエンスをゴソッと持ってきて、もっとも価値の高いCPMを見つけることを目標にしている。

――ブランドから欲しい取り引きを得るためには、メディアエージェンシーも満足させないといけない。そのために何をしているのか?



ある程度はエージェンシーのやり方に従わなければいけないのは間違いない。お金はそこでたくさん使われているわけだし。エージェンシーからの案件をまったくやめてしまうべきだというわけではない。というのも我々が繋がりを持っていないブランドと、メディアエージェンシーを通して繋がることができるからだ。しかし、究極的にはブランドと関係を持ちたいと思っている。マーケターと一緒にミーティングをして、「何をしたいですか」「どうやって我々が助けられますか」という会話をしたいのだ。

Tim Peterson(原文 / 訳:塚本 紺)