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プレジデント誌の好評連載「悩み事の出口」。ライフネット生命の創業者で、立命館アジア太平洋大学学長の出口治明さんが、読者の悩みに答えます。今回のお題は「他業界への転職しようか悩んでいます」。出口さんは「頭で考えても時間のムダ」といいます――。

■Q:仕事は順調ですが天職に就きたい。他業界へ転職しようか悩んでいます

悩んでいる時間がもったいないので、まずはいますぐに転職サイト10社に登録してください。そうしたらすぐ求人案内がきますから、悩むのはその後でいい。

――行動しなければ悩んでも解決しない?

あなたの悩みは、言葉を換えれば「いまの生活は順調で面白いけれど、家庭を持ってみたい。結婚すべきかどうか悩んでいます」というのと構造が似ています。

この場合のアドバイスとしては、「悩んでいないで毎晩、合コンへ行きなさい」ですよね。結婚相手となるパートナーと巡り合わないことにははじまりません。今回の悩みに置き換えると「合コン」にあたるのが「転職サイト」です。

人の考えは具体的に落としてみて、初めて煮詰まるものです。

――そうですね。結局、時間ばかりが経ってしまっています。

誰かと話すことで、頭のなかは整理されますよね。それと同じで「あの会社はどう? この会社はどう?」という具体的な求人話を順に受けることで、あなた自身がどうしたいかが見えてくるはずです。

魅力的な案件があれば転職すればいいし、そうでなければ、いまの仕事のままがいいということです。

――ちなみに出口さんは、保険会社の仕事を最初から「天職」と思っていましたか?

いいえ、僕も生命保険の仕事をはじめたのは全くの偶然でした……。でもやってみないと何が天職かわからないですから。

――「こういう仕事をしてみたい」というのはなかったですか?

強いて言えば、旅と食べることが好きなので「添乗員」ですね。過去に何度か自分でツアーを企画・主催して添乗員をやったことがあって、結構評判がよかったんですよ。実際、これからしばらくは添乗員の仕事をやる時間はなさそうですが。

――向いていると思う仕事には、就いていないんですね。

おそらく最初から「これが自分の天職だ」と思って仕事をしている人は少ないと思いますよ。多くが親の仕事を継いだり、周囲から勧められたり、たまたまその仕事に就いたというパターンでしょう。

――出口さんは2018年1月から大学の学長になられました。しかも場所は大分・別府。これも運命と考えているのですか?

僕は人生は偶然の産物だと思っていて、「川の流れに身を任す」がモットーです。もちろん与えられた役割を全力でこなすのが前提ですが。そのほうが何が起きるかわからないし楽しいですよね。そう思っていたら今度は、大分の大学に流れ着いたという感じでしょうか。

Answer:頭で考えても時間のムダ。とりあえず転職サイト10社に登録しましょう

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出口治明(でぐち・はるあき)
立命館アジア太平洋大学(APU)学長
1948年、三重県生まれ。京都大学卒業。日本生命ロンドン現地法人社長、ライフネット生命社長・会長を経て、2018年1月より現職。
 

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(立命館アジア太平洋大学(APU)学長 出口 治明 構成=八村晃代 撮影=市来朋久 写真=iStock.com)