ときめきアイドル

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◆ゲームコラムニスト・卯月鮎の絶対夢中★ゲーム&アプリ週報

 音楽ゲームのルーツはディスクシステムの『オトッキー』(1987年)とも言われていますが、一般に音楽ゲーム(リズムゲーム)を世に広めたのは、1996年にPS1で発売された『パラッパラッパー』でしょう。ロドニー・グリーンブラットの描くポップなキャラと、ラップを題材にしたゲーム性は、それまでのゲームの常識を覆すものでした。

 その後、音楽ゲームは楽器系、ダンス系、リズム系などに分かれ、定番のジャンルへと成長していきます。最近ではコンシューマでの話題作は少なくなりましたが、その一方でスマホゲームでは人気、売り上げともに非常に高いジャンルとなっています。

 根強い支持を得る『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』、スマホになってさらに飛躍した感のある『アイドルマスター』関連作、『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』、『アイドリッシュセブン』、『歌マクロス スマホDeカルチャー』……とタイトルを挙げていくとキリがありません。

 新作も豊富で、3月20日にはKONAMIの『ときめきメモリアル』シリーズの新展開となる『ときめきアイドル』が配信開始。また、今年に入って配信が始まった台湾発の音楽ゲームの続編『Cytus II』も有料アプリながらヒットしています。

 どうしてこれほどスマホと音楽ゲームは相性がいいのでしょうか? その理由を探っていきたいと思います。

●理由その1 本能を刺激するゲーム性

 音楽に乗ってボタンをリズミカルに押すという行為は、他のゲームジャンルと異なり、人間の本能に根ざした部分があります。古代ギリシアの時代から音楽は数学と並び重要視されてきましたし、神話にも楽人や音楽の神が登場します。ついつい音楽の調べやリズムにノってしまうのは、古今東西を問わず人間の根源的な性質といえるでしょう。

 音楽ゲームは、複雑で難しいゲームはしたくないというスマホのライトユーザーを惹きつける力を持っています。このあたりは『パラッパラッパー』が既存のゲーマーとは異なる新規層を開拓した状況と似ているかもしれません。

●理由その2 スマホと音楽の相性の良さ

 スマホにはもともとデジタルオーディオプレイヤーの側面があり、スマホで音楽を聴くという土壌がすでにできあがっていました。これも音楽ゲームにとってはプラスに働いた要因でしょう。

 また、タッチスクリーンでの操作はコントローラと違い複雑な入力はできませんが、その分、直感的にタップするのに適しています。スマホ初期には画面を叩いてピアノやドラムを演奏するアプリが流行りましたが、そうしたスマホの“ミニ楽器性”も音楽ゲームとの相性の良さを物語っています。

●理由その3 スマホゲームの文法とマッチ

 スマホゲームには、『パズル&ドラゴンズ(パズドラ)』でもおなじみの、「ガチャでキャラを集め、合成したり育成したりして、パーティーを編成する」という定番のシステムがあります。このシステムに音楽ゲーム、特に大勢のアイドルやバンドメンバーを育成するアイドル系音楽ゲームが見事にハマった形です。

 実はランキングで上位を占めているスマホゲームは、RPG、クイズ、パズル、音楽ゲームといったジャンルにかかわらず、「ガチャ→育成→成果を実感」というフローがしっかり機能している傾向が見られます。

 そのうえ、音楽ゲームは1プレイが短く、スキマ時間に遊ぶことの多いスマホユーザーに適していますし、また、「どうして楽曲をクリアしなければならないのか」という動機付けの面でもアイドル系音楽ゲームは「ライブを成功させるため」といった明快な理由が存在します。