TDK公式動画より(写真はイメージ)

写真拡大

 TDKは経営体制の多様性を確保するため、世界共通の選抜・教育制度を2018年度に導入する。欧州や米国、中国、中国を除くアジアの4地域のグループ会社から50人程度の優秀な人材を選び、幹部候補として育成する。20年度までに役員を育成する制度の導入も検討する。世界共通の人事制度を設け、M&A(合併・買収)で得た海外人材を経営に生かす。

 幹部向け選抜・教育制度のプログラムは、買収したドイツのエプコスの内容を改良して導入する。具体的には各地域に選考委員会を設け、合計100人程度を各地域から選定する。

 その後、プレゼンテーションなどを実施し、さらに半分に絞り込む。対象は中堅社員や若手社員が中心。これまではTDK本社や現地企業の人事部の評価基準で判断していたが、今後は共通基準で、地域差が生じないような方法で評価する。

 TDKは18年度に「人財本部」を新設した。本部があるドイツのミュンヘンには約10人程度を配置し、本部長には外国人を起用した。人事部の実質のトップに外国人を起用するのは日本企業では珍しい。本部が従業員の意識統一を進める一方で、各地域には合計20人の人員を置き、地域性や海外子会社の個性を尊重する体制としている。

 TDKは海外企業のM&Aや急速なグローバル化により、企業統治や外国人人材の適正配置、従業員の意識統一が課題だった。もう一段の成長を見据え、外国人や女性の幹部を加えることで多様性の確保が不可欠として新たな人事制度の導入を決めた。

 電子部品業界は業績や事業規模の拡大に人材の確保や育成が追いついていない傾向にある。TDKは全世界のグループ会社の従業員の外国人比率が約9割と競合他社より2割程度高い。そうした中、早期に自社の優秀な海外人材を発掘し、幹部候補まで育てて多様性に富んだ経営や長期的な成長につなげる。