米国と中国の貿易戦争が過激になってきた。

 トランプ大統領は5日、知的財産権の侵害問題に絡んだ中国の報復措置(大豆や自動車など500億ドル規模)に対抗するため、新たに1000億ドル(約10兆7000億円)規模の追加関税を検討すると表明した。米国は3日にも500億ドル規模の上乗せリストを公表している。

「市場は米中貿易戦争への警戒を強めています。実際、中国関連株と呼ばれる銘柄は低迷しています」(IMSアセットマネジメント代表の清水秀和氏)

 中国と関わりの深い企業で構成する「日経中国関連株50」採用銘柄の値動きを追うと、米中貿易戦争の影響をモロに受けていることが分かる。5日は、非鉄金属の住友金属鉱山が前日比でマイナス1.98%、神戸製鋼所はマイナス1.12%、新日鉄住金はマイナス0.85%だった(別表参照)。

「大豆など穀物の輸出(米国から中国)に関わる総合商社も、貿易戦争の被害を受ける危険性が高まっています。また中国市場で人気の高い無印良品(会社名は良品計画)の株価は伸び悩みです。こうした企業は、トランプ政権と習政権の対立の巻き添えを食らった格好でしょう」(市場関係者)

「米中貿易戦争の火ぶたがいよいよ切られるか」というリポートを5日に公表した第一生命経済研究所主席エコノミストの西濱徹氏は、次のように指摘する。

「両国とも強硬姿勢を示していますが、現状はテーブルの上に材料を載せただけです。発動までの猶予期間とされる5月中旬に向け、両国は落としどころを探る動きを活発化させるでしょう」

 例年、ゴールデンウイーク前後は株式市場が大荒れとなる。今年も乱高下を覚悟したほうがよさそうだ。