アングル:米中摩擦で独高級車やテスラ、フォードの生産打撃か

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[4日 ロイター] - 米中両国の貿易摩擦激化によって、米国でスポーツタイプ多目的車(SUV)を生産して中国に輸出しているドイツの高級自動車メーカーや、電気自動車大手テスラ<TSLA.O>、フォード・モーター<F.N>などが大きな打撃を受けそうだ。

今後両国が互いに輸入関税を導入して全面的な貿易戦争へと発展すれば、それぞれの国の自動車生産に影響が及ぶ。しかし中国が年間27万台近く、110億ドル相当の米国車を輸入している半面、対米輸出は乏しいため、米国の自動車工場の痛みが最も大きくなる。

中国が輸入自動車の関税を実際に2倍にした場合、推定年間1万5000台を中国に出荷しているテスラのカリフォルニア工場や、BMW<BMWG.DE>のサウスカロライナ工場、ダイムラー<DAIGn.DE>のアラバマ工場は、金額にして数億ドル分の生産を失う恐れがある。この3工場の出荷はいずれも利益率の高い高級モデルで、多くは中国向けのSUVが占める。

フォードに至っては痛手が2倍になりかねない。中国への高級車リンカーンの輸出と、コンパクトカーのフォーカスを中国で生産して米国に輸出する計画が、ともに支障を来すからだ。

同社は来年にミシガン州から中国にフォーカスの生産拠点を移す方針で、これによって5億ドルの経費を節約できると期待していた。

またバークレイズの自動車アナリスト、ブライアン・ジョンソン氏は4日付の投資家向けノートで、テスラは売上高に占める中国市場の割合が17%に上るため、輸入関税が引き上げられればそのあおりをまともに受けると予想している。

一方、ゼネラル・モーターズ(GM)<GM.N>は、中国で生産して米国に輸出しているのはクロスオーバー車ビュイック・エンビジョンの年間3万台にすぎず、対中輸出車も少ないため、被害は限定されそうだ。

フォードはフォーカスやリンカーンなどに関する個別の計画へのコメントを拒否しながら、4日付の声明で「われわれは両国政府に問題解決で協力するよう促している」と説明した。

メルセデス・ベンツの広報担当者は、進行中の交渉に関して推測はしないと述べるとともに、「状況を注視している」と付け加えた。

BMWは「米中の貿易摩擦がさらにエスカレートする事態は、すべての利害関係者のためにならない」と表明した。

テスラはコメントを拒否。GMは4日、トランプ政権の対中追加関税案がエンビジョンの将来の生産計画にどう影響するか判断を示すのは「時期尚早」だと述べた。

中国汽車流通協会(CADA)によると、昨年中国が世界各地から輸入した自動車の合計台数は120万台。統計調査会社スタティスタのデータでは、米国工場からの輸入は26万7473台と全体の25%弱で、これにはBMWのサウスカロライナ工場の10万台が含まれている。

(Paul Lienert、Norihiko Shirouzu記者)