新年度に、貯金方法を見直してみてはいかがでしょうか(写真:takasuu/iStock)

新年度になりました。気分一新、今年度の目標を掲げるいいタイミングです。貯金についても、「目標額」をいつも達成できない人はやり方を見直し、新たなスタートを切るのはどうでしょうか。

おカネの流れは、実はたった「5つのステップ」に分けて整理することができます。そして、この「5つのステップ」のどこかに必ず問題が潜んでいます。どんな家庭でも、このおカネの流れを5つに分解してみると、隠れた改善点が見つかるはずです。

そして改善によって1000万円くらいのおカネが生まれる可能性もあります。今回は、家庭でできるおカネの問題の整理方法をまとめてみたいと思います。

おカネの流れ「5つのステップ」

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今までよりも多く世帯の合計年収を増やす方法がないか考えてみるのが第1ステップです。どんな節約術よりも先に、どんな投資術よりも先に、年収を増やす方法を模索してみるべきです。「絶対に無理」と思っている人ほど案外年収を増やせたりします。

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今までよりも少ないコストで生活が維持できればその差額が貯蓄額に変わります。よりローコストでやり繰りできる方法を考える「節約」は、おカネを生み出すという点では「運用術」でもあるわけです。

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収支の差額は貯蓄として蓄えられていくわけですが、高金利局面であればより高金利の預け先を考える必要があります。超超低金利の現在では、銀行選びだけではない資産運用を考える必要があります。ただし長い目で見て勝てる選択肢を堅実に選ぶことがポイントになります。

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ローンと名のつくものはどんなにカジュアルなイメージがあっても、利息のつく借金でしかありません。可能であれば借りないことが大事で、そのためには先回りしておカネを貯める習慣が必要になります。またどうしても借りざるをえないなら、短期で低利で借りることが重要です。

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リスクに少額で備えることができ、万が一の高額の支出に対応できるのが保険の役割です。死亡保障、交通事故の補償など保険を必要とするシーンは確かにあります。しかし、払いすぎの保険は家計の圧迫要因になっていることがしばしばです。

前者の3つのステップは、今日からリタイア生活に入るまでのあいだつねに考えていかなければならないテーマです。後者の2つのステップは、契約をするとき、ないし契約を見直すときにしっかり考えておけばよい種類のものです。あなたのおカネの問題は、どこにありそうですか。どこかにひとつは課題が見つかりはしないでしょうか。

それぞれ具体的なヒントを少しだけ紹介しましょう。いずれももしかしたら人生における1000万円の差につながる課題かもしれません。

稼ぐ……伸びしろのない会社、斜陽の業界、古い体質の会社には早めに見切りをつけ転職するほうが賢明です。なぜならあなたの能力の伸びに見合ってきちんと賃金をくれる可能性が低いからです。

今は正社員の有効求人倍率が1.0倍を超えるという超売り手市場の時代が到来しています。これは新卒時の就活でひどい目に遭わされた世代にとっては、能力に見合う正当な報酬を得る最後のチャンスかもしれません。

契約社員扱いにさせられていた人は正社員登用を目指します。派遣社員も派遣期間の満了後の正社員登用など当てにせず、正社員を目指して就活するべきです。チャンスは6年前(正社員の有効求人倍率は0.4倍程度だった)の2倍も転がっているのです。

転職は同一「職種」で探すべし

このとき、「同一業界」の転職にこだわる必要はないので、自分の得意とする職種を見極め、「同一職種」で右肩上がりのほかの業界に飛び込んでみると一気に年収が増えたりします。

仮に50万円の年収増であっても、40歳の転職なら20年で1000万円の生涯賃金増になります。これはその後の賃金カーブの角度によってはもっと差が開きますし、退職金等の労働条件を勘案すればやはりもっと差が開きます。数千万円の生涯賃金増のチャンスが今目の前に転がっているのです。

使う/節約する……同じ収入であっても、生活コストを引き下げられればその差額が貯金になります。しかし単に生活水準を下げるだけが節約ではありません。むしろ「生活水準を下げずに生活コストを下げる」ことを追求するのが知的な節約生活です。

家計の見直しでまずやってみたいのは「固定費」の見直しで、クレジットカードや銀行預金通帳から自動的に引き落とされているものから不要なもの、割高なものを徹底的に削ったりサービス変更をしてみます。数百円から数千円くらいのカットでも、積み上げていくと月1万円の節約になったりします。しかも、生活には支障なくカットできるわけですから、やらない手はありません。

次に有効なのはやはり家計簿アプリの活用による「見える化」です。といっても、最近の家計簿アプリはクレジットカードや電子マネーのアカウントを連携させたり、アマゾンや楽天の買い物履歴を自動記帳させる機能がありますし、買い物のほとんどもレシート撮影機能で記帳できます。記帳の負担は大きく下がっているため、紙の家計簿の時代よりぐっと簡単に続けられます。

家計簿アプリ「マネーフォワード」の有料会員は、平均2万4728円の節約に成功しているそうですが、これは年29万7000円つまり約30万円の節約に相当します。25歳の頃に家計の改善に成功し、これを継続したと仮定すれば65歳まで累積1200万円のムダ遣いをせき止めることに成功するわけです。

貯める/増やす……定期預金で年0.01%で積み立てしてもおカネはほとんど増えません。目の前では株価が調整をしたというものの、ここ数年で株式投資の上昇率が大きいことは誰でも知っていることです。

22歳から65歳まで、毎月1万円の貯金をしたとき、年利0.1%では65歳時点での受取額は527万円にしかなりませんが、投資を行うことで年利4.5%の確保に成功すると同じ積み立てペースであっても65歳時の受取額は1573万円となります。同じ「貯める/増やす」のはずが1000万円の差が出たことになります。

「低コストの投資信託を粘り強く」がおすすめ

ただし、株価が上下動しているときも定期的に積立投資をすることが肝心で、国内外に分散投資される低コストの投資信託を活用することがカギとなります。株価が下がっているとき、投資を続けて回復時を待てるかどうかが最終的な運用成果を分けるでしょう。最近話題となっている「ほったらかし投資」の方法を学ぶといいでしょう。

借りる/返す……金利は人生を大きく左右する一大事です。2010年頃の住宅ローンはフラット35でも3%前後でしたが、仮に35年で3000万円のローンを組めば4849万円の総返済額でした。

しかし現下のような超超低金利下で、1.5%の条件を獲得できると総返済額は3858万円、1000万円もコストが変わることになります。

金利を気にするべきは住宅ローンだけではなく、リボ払い、キャッシング、パーソナルローン、消費者金融など、年10%以上の金利が設定されるような「借金」に追われて生きる人生と、それと無縁の人生とのあいだには、簡単に数百万円の「差」が出てきます。どちらの人生を選ぶべきかは明らかです。

備える……本当に必要な保障だけを契約するのが保険のカギです。自動車保険については標準的な保障をつけ、生命保険については最小限度に抑えます。医療保険も掛け捨ての共済で数千円かければ基本的には用が足りるはずです。

結果として月1万5000円保険料を下げたとすれば年18万円のおカネが残ることになります。新入社員の段階から高い保険料を払わされている人生と比較すれば、生涯にわたって800万円以上の費用をセーブすることになります。

セーブすることができたおカネは、「長く生きるリスク」つまり100年人生時代の老後に備えて残しておくことが大切です。

大間違いを少しでも減らすことができれば

ここに書いているのはちょっとできすぎの例ばかりかもしれません。すべてのステップで1000万円の得、ということはなかなかありませんが、それでもいくつかのステップで人生の収支が改善、数千万円のプラスになってくるとしたら、これは大きな違いになります。


まず目の前の生活において大きな改善がみられます。毎月赤字に苦しむ家計からは卒業できるはずです。

そして、その積み重ねは老後に大きな違いとなってくることでしょう。老後破産の心配とは無縁に100年人生の時代を過ごせることになるでしょう。

ただし、おカネの問題改善のコツは「5つのステップ」の1つだけに限らないということです。節約だけでなんとかしよう、とか、運用だけでなんとかしよう、と考えるとうまくいきません。むしろ節約もほどほどにこなしつつ、運用の力もそこそこに借りる、というような組み合わせが効果を倍増してくれると考えてみてください。