シャープペンシルをホルダーとして利用した極細ヤスリ

写真拡大

 インターナショナルダイヤモンド(東京都大田区)は、ダイヤモンド工具や電着製品が主力事業。BツーB(企業間)にとどまらず、BツーC(対消費者)向けにも事業を拡大している。

 3年ほど前に商品化した極細ヤスリ「マイクロフィニッシュ」は、直径が0・3ミリ―0・7ミリメートルのため、市販のシャープペンシルをヤスリのホルダー代わりに用いた。このアイデアが消費者に受け入れられ、「毎年倍々で出荷が増えてきた」(江口社長)という。

 シャープペンシルの販売権を持っていないため、極細ヤスリの付属品(サービス品)としてペンを提供。2017年度は前年度比3―4倍の1万本以上を出荷した。この勢いは18年度も続きそうで、月間1000本の出荷を見込んでいたが、すでに達成している。

 もちろん、極細ヤスリの販売を足がかりに、本業への取引に結びつけたい狙いがある。展示会での即売は好調だが「9割方は購入して終わり。その後、本業につながるのは1割程度。直接、本業に結びつく動きはみられない」(加藤和彦営業部長)と打ち明ける。

 ただ、極細ヤスリの商品化により、一般消費者も含めて、さまざまな業界へ顧客層が広がったのは確か。会社の認知度も上がった。極細ヤスリは当初、金型向けを想定していたが、実際には加工対象物(ワーク)のバリ取りをはじめとして多岐にわたる。プラモデル愛好家が、模型のバリ取りに使うなど、想定外の使用も分かってきた。より一層の普及を図り、数々の施策を打ち始めている。

 まず、検討したのは販路開拓。展示会で購入したお客さんから、極細ヤスリを継続して買うにはどうすれば良いのか、との指摘を受けた。インターネット上の仮想店舗を通じた販売のほか、関係先の商圏と競合しないようにカタログ通販も慎重に検討。プラモデル愛好家が集う店舗での販売もできるように交渉を進めている。

 次に、一般消費者向けの販売増を視野に、販売方法と価格を見直した。5本入り、10本入りといったセット販売に加え、1本からでも購入可能とした。また、極細ヤスリのホルダーとして使っているシャープペンシルのほか、バイス(口金で挟む固定工具)も追加。扱い品を14種類から34種類に増やし、2月から販売を始めている。価格は、一般消費者の手が届きやすいよう、1本当たり1300円(消費税抜き)に設定した。

 極細ヤスリの商品化により「知らない世界の情報が入ってくるのが大きかった」(江口社長)と話す。プラモデルやアクセサリーなど一般消費者向けのほか、超音波振動装置に極細ヤスリを付けてワークを磨く使い方の提案も受けたという。

 極細ヤスリの売り上げは、全体の数%にとどまるが、本業への波及効果も期待できるなど可能性は大きい。

 今後、プラモデル愛好家をモニターとしたマーケティング調査も実施して、利用者の好みを反映していく考え。
(文=南東京支局長・安久井建市)