春は「夫婦の危機」が訪れやすい季節。本当に離婚したくなったら、どうすべきだろうか(写真:horiphoto / PIXTA)

こんにちは、ファイナンシャルプランナー(FP)の寺門美和子です。「おカネの相談」と「夫婦問題カウンセラー」との二刀流で仕事をしています。今回は、「離婚するかどうか迷ったときに読む5つの判断材料」についてお話をします。特に女性読者の方々にぜひ読んでいただきたいと思います。

なぜ春は「離婚危機」になる夫婦が多いのか

実は、春は「夫婦の危機」が訪れやすい季節です。そもそも春は「出会いと別れ」のシーズン。日本では4月は大半の人に新しい年度の始まり。人事異動などで歓送迎会が多くなりお酒の席も増えます。そうすると理性のブレーキが利かなくなることもあるでしょう。自分でも「新しいことをやってやろう」と思うときでもあります。

要は、これらの理由が絡まり自分の人生にも「変化」を起こしたくなるようなのです。引越しや部屋の模様替え程度なら当たり障りがないのですが、中には「新しい恋」の一環として「浮気」が始まる人もいます。それが「離婚危機」の原因となるのです。

もちろんこうした「春の変化」だけの話ではありません。そもそも離婚の危機は、ライフイベントと連動することが多いのです。普段からささいなことで、夫婦の意見は食い違っていたりします。そこに大きなイベントが絡むと「夫婦喧嘩」という領域を超えた、深刻な問題に発展しがちなのです。

では、離婚に発展しがちなライフイベントはどんなものがあるでしょうか。住宅や別荘などの購入や引越し、リフォーム、おカネのかかる子供の入学・進学、介護などです。不動産物件が1年でいちばん動くのが2月から4月。学校関係の出費が多いのもほぼ同じです。このように春の家庭は内外の要因で「紛争の種」がいっぱい。ちょっとでも家庭のパートナーへの不満などがあると、危機へと発展してしまうのです。なんとか危機を回避する手立てはないのでしょうか?

本来、「浮気病」は春にかかるかどうかは関係なく、一過性のもののはずです。恋だって、元々の要因が雰囲気にのまれてのものなら、冷めやすい。浮気も一緒です。

しかし、「浮気されたほう」は黙ってはいられません。それは当然です。特に夫に浮気をされた妻は、魂が揺さぶられるような気持ちになります。時に手が付けられない状態になる人も多いのです。

ただ、本来は夫婦仲を修復させたいなら方法があるはずですが、理性を失ってしまう人が少なくありません。浮気した夫の「心の底にある感情」を見ようともせず、とにかく夫を責め、浮気の女性相手を憎みののしる。恥ずかしながら言うと、実は私がそうでした。

しかし、余りにも妻の態度が厳しくむごいものだと、浮気病は「不治の病」となってしまいます。経済的余裕のある男性なら、1人の相手では物足りず、複数の女性と付き合ったり、次々と相手を変えたりしていきます。

「感情的な離婚」で後悔しないように

確かに、夫の浮気を「どうしても許せない」と、離婚を選ぶ女性もいます。「もう顔も見たくない」「別れられたら、もうそれで幸せ」という相談者もとても多いのが現実です。

しかし、問題はそのあとです。感情が先走り、離婚したことで後悔をする女性がかなり多いのも現実なのです。「浮気くらい多めに見ればよかった」「あんなささいなことで、離婚までする必要はなかった」といった声を、多く聞きます。

なぜ後悔する女性が多いのでしょうか。原因は日本の後進性にあります。日本という国は、女性が1人で生きていくのはまだかなりしんどい国なのです。世界経済フォーラムが発表した2017年度版「ジェンダー・ギャップ指数」(男女平等ランキング)によると、世界で最も男女が公平に近いのはアイスランド。日本はなんと、144カ国中114位なのです(内閣府男女共同参画局の資料参照)。「差別が激しい国」となっています。

衝撃的なランキングですが、私が離婚後「肌で感じたあれこれ」を想い出すと納得できます。要は、女性が離婚すると社会的にはまだまだ認められづらいのです(だから、ただちに離婚を思いとどまれと言っているわけではありません)。

もともとは「〇〇さんの奥様」として認められていた女性が、離婚と同時に長年の付き合いを断絶されたり、コミュニティでの発言が受け入れられづらくなったりします。私自身も、離婚後、90%くらい人間関係が変わりました。私の不徳の致すところもありますが、これが日本の現実です。現実に気がつく人は、大半が離婚後なのです。

読者の皆さんは「おカネ」と「愛」、どちらが大切ですか? 若い頃は迷わず「愛」と答えていたと思います。しかし、生きていくうえでは、やはりおカネも重要です。

離婚した女性が「離婚破綻」で苦しんでいる話もよく聞きます。男性が悪いと言ってしまえばそれまでです。しかし、自分では「なんとかなる!」と思って、いざ別れてみると、家事・子育て・仕事の両立が難しく、疲弊してしまい「こんなことなら別れなければよかった」ということになりかねないのです。嫌いになった夫と別れて幸せになるつもりが、生活に追われ子供とのんびり過ごす時間もない人もいます。

5つの材料から「離活」をして最終決断

では、離婚して幸せになるか、ならないか、その見極めはどうしたらいいのでしょうか。その基準は以下の5つが判断材料になります。一つひとつ見ていきましょう。離婚したいと思ったら、まず以下の5つを頭に入れたうえで、「離活」(離婚活動)をしていただきたいのです。

1)本人の性格

まず1つ目は本人の性格です。具体的に言うと、離婚すべきかどうか、ランダムに10人位の人の意見を聞くといいでしょう。このときの心構えとして「何を言われても怒りません、言ってください」という低姿勢で、ランチくらいはごちそうしてお願いしましょう。

「そんなのはイヤ!」という時点で、離婚には向かないと思います。離婚後の人間関係は、人生を豊かにする重要な要素です。「他者のために」「お世話になったらお礼はきちんとする」という気配りができる人でないと、難しいでしょう。

2)住まいの確保

2つ目は住まいです。持ち家の人なら、財産分与で自分がその家に住めるのかどうか。仮に住めた場合でも、管理費・修繕費・税金等が払えるのか。マンションの場合は、新築時には管理費・修繕費を低く見積もっているケースも多いので、管理会社の担当者に聞いてみるとよいと思います。賃貸の人は、自分が支払える家賃相場ではどこに住めるか調べてください。

3)実家

いざというとき、実家に頼れるか。親子でも深い話はなかなかしていない場合が多いようです。また、長年離れて暮らしていると、親も別の生活をしています。親御さんが将来の生活をどのように考えているのか、尋ねてみましょう。「家を売却して老人ホームに住みたいから、あなたが帰られると困るわ」ということもあるかもしれません。

4)離婚後の収支

トータルに見ていく感覚が問われます。FPの仕事のひとつに「ライフプランニング」というものがあります。FPに依頼すれば、これから一生の生活の収支のシミュレーションをしてもらい、破綻を防ぐことができます。百聞は一見にしかず。ライフプランニングを実行して、実際に、離婚を考え直した人もいます。

5)健康問題

抜け落ちやすいのが最後の健康問題です。健康診断を徹底的にして、病気がないかどうかを見つけ、もしあったらきっちり治療を優先すべきです。1人になってからでは、できないこともあります。この健康問題には、家族の病気や介護問題も含まれます。

時間をかけて、じっくり最終判断をしてほしい

以上、「5つの判断材料」を元にしつつ、改めてパートナーとのこれまでの結婚生活を振り返ってください。恋愛時代から今までの間に積み重ねてきた歴史などを、です。

私は「今日にでも離婚をしたい」という相談者に「今離婚したら、同じ過ちを繰り返すことになりますよ、別れたい理由、原因もしっかり把握する時間も必要です」と話しています。

5つの材料を挙げましたが、最終的な離婚判断は「経済的」「精神的」「肉体的」の3つの側面から考えて、時間をかけて判断してほしいのです。そして決断したら「覚悟」をします。離活をして、覚悟が定まれば、あとは新しい人生で輝くこともできます。離活途中で面倒になる人は離婚しないほうが幸せです。なんだかんだご主人様があなたを支えてくださっていることに感謝することも必要です。たとえ、考える時間が長くてもしっかり覚悟が定まれば、必ず幸せになれます。もし、復縁するなら今までの夫婦関係を改善し、自分も変えることを決断してください。「離婚する」「復縁する」、最終的にどちらを選んでも幸せになるよう、道を開いてください。