米DIGIDAYは、2月にテキサス州オースティンで開催したDIGIDAY RETAIL SUMMITで、Amazonにおけるマーケティングへの取り組みについて、53人の小売幹部に直接、話を聞いた。その調査結果を以下にまとめる。

主なポイント:



DIGIDAYの調査では、Amazonで広告を出したことがある小売業者はわずか20%だった
マーケティング予算の半分以上をAmazonに使っているところはない
2018年にAmazonに広告を出す予定だとの回答は27%だった
Amazon Sparkで最近、広告を購入したという回答は0%だった

Amazonでの広告に小売業者は慎重



Amazonの広告事業は出だしから好調で、収益がすでに17億ドル(約1800億円)にのぼっている。確かに急成長しているが、小売業者を見ると、マーケティング予算をAmazonに使っているところは少なく、使い方も慎重だ。米DIGIDAYの調査によると、小売業者の80%はAmazonで広告を出しておらず、マーケティング予算の4分の1以上がAmazonだというところは2%しかない。



また、2018年にマーケティング予算をAmazonに使う回答した小売業者は、2017年から35%増えたものの、わずか27%だった。



Amazonで広告を出すところがあまり増えないのは、ひとつには、Amazonで商品を直接販売するのを避けているところがかなりの数あるからだろう。米DIGIDAYが7月に実施した調査では、Amazonで商品を直接販売している小売業者はわずか38%だった。

特に、エスティ・ローダー(Este Lauder)傘下のMACやクリニーク(CLINIQUE)のような美容ブランドやファッションブランドは、Amazonで商品を販売するのを避けている。こうしたブランドからすると、Amazonでまとめ買いされるありふれた商品と自社商品が結びつけられることは好ましいのかという問題があるのだ。3月の米DIGIDAYが主催したファッション・ビューティ業界のマーケティングイベント、グロッシーフォーラム(Glossy Forum)では、ある参加者(匿名)が次のように説明した。「私が顧客だとする。私は、Amazonではトイレットペーパーを買おうとすることが多い。我々にとって問題なのは、トイレットペーパーと自社商品が同じカートでいいのかということだ。このトイレットペーパー問題は、何度も繰り返される大きな問題なのだ」。

Amazon広告に傑出したフォーマットはない



Amazonで購入できる広告フォーマットは複数ある。今回の調査では、特に目立って人気のある広告フォーマットはなかった。また、回答は複数選択できたが、購入した広告フォーマットが複数あるとした小売業者は1社だけだった。



もしかすると驚きではないのかもしれないが、Amazon Sparkの広告は0%だった。SparkはAmazonによるインフルエンサープラットフォームだが、ユーザー基盤の拡大に苦戦している。投資に見合った利益がもたらせるのか疑念を抱き、利用を続けるか迷っているインフルエンサーが多い。

Sparkにはあまり関心のない小売業者たちだが、それ以外の、特に検索広告には関心が集まっているようだ。Amazon Marketing Services(AMS)を通じて検索広告に多くの資金を投じるよう、Amazonは広告主に売り込んでいる。ユニリーバ(Unilever)をはじめとする大手ブランドのメディア購入を扱うグループ・エム(GroupM)によると、Amazonの検索広告に対するクライアントの支出は2017年、前年の10〜15倍に増えたという。グロッシーフォーラムでは、ある小売幹部(匿名)が、Amazonの検索広告の重要性が高まっていると語ってくれた。「我々の(商品)検索は80%がAmazonを起点としていた。そして実際にGoogleの検索を上回っている」。



Mark Weiss (原文 / 訳:ガリレオ)