車谷暢昭会長兼CEO

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 東芝が復活に向け再び一歩を踏み出す。1日に就任した車谷暢昭会長兼最高経営責任者(CEO)が3日、日刊工業新聞などのインタビューに応じ「製造業を基盤にしたサービス・ソリューション型企業に転換する」との方針を示した。車谷会長は「2018年度を変革元年とする」と意気込む。15年の不適切会計問題以来、幾度も再建策を見直してきた東芝。今回は「三度目の正直」となるか。(政年佐貴恵)

 東芝はすでに2―3年間の収益改善を目的とした全社プロジェクトや、19年度を初年度とする5カ年計画の策定に着手。同計画は年内をめどに公表する予定だ。

 車谷会長は3月末時点の自己資本比率が10%を達成する見通しとなったとし、「ようやくスタートラインに立った」と述べた。一方で「復活や成長の絵はまだ見えていない」。方向性を定めて経営資源を集中し、収益力を高めることを強調した。

 東芝について「技術力や顧客基盤などは優れており、復活できる」と見る。ただし「従来の延長線上での成長は難しい」。その上で「変革を起こすことが私の責務だ」と力を込める。

<主な一問一答は次の通り>

 ―変革プランについて教えてください。
 「ポートフォリオの入れ替えやコスト削減、グローバル企業にふさわしい社内インフラなど、直すべき点は直す。全く別の会社にするつもりで取り組む。具体的にはこれからだが、キーワードの一つは『リカーリング』だ。(事業再編にこだわらず)収益モデルが構築でき全社が納得するなら、事業を続ければいい。キャッシュ創出力を指標に策定していく」

 ―リカーリングでの東芝の強みは。
 「制御や工場監視などのメンテナンス系は、伝統的に強い部分だ。IoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)を使って性能向上もできる。大きなプラットフォームを構築して全体的に手がけるのではなく、強みを持つ層を見つけてそこでビジネスをする方が適しているのではないか。不足する部分があれば、M&A(合併・買収)も視野に補完する」

 ―東芝メモリ売却が完了していない。
 「M&Aはクロージングまで誠実に進めるのが大前提だ。早期の譲渡完了を目指す方針に変わりはない」

 ―東芝はグローバル市場で戦えるのか。
 「これまでの課題の一つは、コスト削減策だとみている。他社よりも原価が高く、ここを改善するだけで収益体質は大きく変わる。さらに良いモノを適正な値段で売る。基本動作をきっちりやることが、東芝の場合は非常に重要だ」
(文=政年佐貴恵)