大型降雨実験施設での自動車走行実験(防災科研提供)

写真拡大

 国立研究開発法人・防災科学技術研究所は2022年度をめどに、自動運転やドローン(飛行ロボット)などに関わるセンサーなどの新技術について、産業界とともに性能を認証する制度を構築する。観測史上最大規模の豪雨や巨大地震など自然界の極端な環境を再現できる国内唯一の大型実験施設を活用し、センサーなどの機能を確認する。大手自動車メーカーや関連する業界団体と共同で、必要な性能基準の検討を18年度中に始める。

 大型降雨実験施設(茨城県つくば市)は、1時間当たり300ミリメートルの豪雨や強風を再現できる。自動運転の実用化や普及には、センサーなどがあらゆる気象条件下で機能することを確かめる必要がある。従来は土砂崩れの挙動解析などで使ってきた。

 認証制度の構築は「自動走行」「インフラ維持管理」「防災・減災」が重点推進分野。規格などが未整備な新技術について、企業や業界団体とともに必要な性能基準を示すことで新技術の実用化を加速させる狙いがある。

 複数の企業などと共同で例えば自動運転に使う車載センサーがどの程度の雨や霧、風に耐える必要があるかといった、その確かめ方などを検証し、性能の評価基準を策定する。

 これを基に、機器などが特定の環境下で正常に機能したことを防災科研が保証する仕組みを作る。また、日本工業規格(JIS)などの各種規格における評価手順の策定にもつなげる。

 これらの策定に向け大型降雨施設を自動運転の試験用に道路舗装し、今月中旬に公開する。同施設の5面のうち1面、約3000平方メートルを舗装し、18年度は自動車や部品メーカーと検証実験を予定。基準を検討するための事例を蓄積する。

 自動運転をめぐっては、米ウーバー・テクノロジーズが3月に公道試験中に死亡事故を起こすなどし、普及の遅れを招いている。世界でも珍しい実験施設を使うことで、想定外をなくした性能基準や開発指針を示せれば、日本発で自動運転技術を確立することも期待できる。