富士ゼロックスが2月に開催したICTインターンシップ

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 事務機器各社が人工知能(AI)や情報通信技術(ICT)人材の採用を拡大する。キヤノンは1月からAI技術開発者などの中途採用の募集を始めた。コニカミノルタは2019年4月入社の新卒採用で初めてICT枠を設けた。各社の主力製品は複合機などのため、AIやICTを専門とする学生の就職先として認識が薄かった。専用枠を設けるなどでアピールし、ビジネス変革に必要な人材の確保を急ぐ。

 キヤノンは中途採用で、AI技術開発者やデータサイエンティストの募集を始めた。これとは別に、米シリコンバレーにAI研究拠点を設置する方針で、得られた知見をさまざまな事業に活用する。

 コニカミノルタは、新卒採用にICT枠を設けたほか、中途採用でIoT(モノのインターネット)やICT関連やデータサイエンス分野の人材を拡大している。同分野にはAIも含む。特に、全社のIoTビジネス構築などを担当する「IoTサービスPF開発統括部」は、中途採用で入社した人材が約半分を占める。異業種との競争は厳しいが、「当社の自由度やトランスフォームの本気度に共感してもらうことで、人材獲得に成功している」(広報)。

 富士ゼロックスは、技術系新卒採用の中で、ICT分野は電気や材料などの他分野に比べ5倍の採用を目指す。学生と早期に接点を持つためインターンシップ(就業体験)に力を注いだことが奏功し、同社では「より専門性の高い人材が集まりつつある」という。中途採用もデータサイエンティストやセキュリティー領域を強化し、17年度比2倍への拡大を計画する。

 リコーは詳細を明らかにしていないが、「新卒・中途採用ともに、AIやICT分野に携わる人材を増やしている」(広報)。17年6月には社内に点在していたAI関連技術者を集め、AI応用研究センターを新設した。お互いの知見を学び合って開発力を高める。リコーリースのAI技術を活用した与信モデルなど、新サービスの開発加速に役立っているという。主力製品の複合機市場などが成熟する中、各社が取り組む事業変革にはAIやICT分野の人材が不可欠となる。こうした人材はICTや自動車業界などとの獲得競争が厳しい。新規事業を創出する面白さなど、企業の魅力を打ち出す必要がありそうだ。