同居を恩着せがましく言う夫とは別れるべきでしょうか(写真: Fast&Slow / PIXTA)

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結婚10年目、3人の幼児を持つ正社員で働く者です。金銭的に私に負担をかけてばかりの夫には、私の実母と同居してもらっている弱みで、何も言えずこれまで来ました。私が早くに父親を亡くし心細かった経験から、子どもたちから父親を奪うことにもためらいがありました。私はもうすっかり疲れましたが、私の都合で子どもたちから父親を取り上げるのはわがままでしょうか。
夫は私の実母との同居を納得したうえで結婚しました。ところが最初から生活費は入れてくれません。貧乏な母娘を引き取ってやったのだから俺の自由にさせろ、ということでした。そして数年後、借金が発覚し、返済ができなくなったと泣きついてきました。私たちは彼の給料をすべて私に渡すことを条件に、一緒に返済することにしました。ところが彼は転職を繰り返し、学生のバイト代程度の給料しかなく、借金の返済分にも足りません。
家事も育児も、「男だから」との理由でしてくれません。何を言っても母との同居を出されると私もそこは感謝しなくてはと思い、何も言えなくなっていました。でも今では夫はいないほうが楽だし、いても何の意味もないと感じています。こんな男でも子どもたちにはいたほうがマシでしょうか。
よーみ

実母との同居に負い目を感じすぎている

よーみ様は実母との同居に負い目を感じすぎていると思います。そこに彼は付け入りました。たとえば母一人を置いて結婚しても、親不孝な娘だと誰も批判しません。結婚とはそういう側面も持っているからです。そこを強いてあなたは実母との同居を結婚の条件にしました。


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その優しい思いや事情を大切にすることが、彼のあなたへの思いやりなのです。それを逆手にとって「貧乏な母娘を引き取ってやった」などと、あなたが「貧乏な男を引き取ってやった」のです。母上とあなたへの態度を改め、期限を定めて納得いく金額を家に入れないなら離婚しようと、堂々と言い渡すべきです。

確かに彼からすれば、あなたの母上との同居は、緊張や窮屈など、いろいろ神経を使うことでしょう。しかし元他人同士がお互いが住みやすいよう工夫・努力し、智恵も思いやりも働かせて諸事情も共に支え合うのが結婚です。これが難しい性格や相性もありますが、最初からそれに恩を着せて経済的な負担をせず、挙句の果ては借金まで背負わせるなど、彼の頭の構造を疑います。

長谷川町子さんには、マスオさんがあれ程までフネさんや波平さんと仲良くなれるまでの努力や忍耐も書いて頂きたかったものですね。ところでよーみ様は母上との同居を、そこまで弱みに考えるべきではありません。

「妻の親も自分の親と同じ」

私が親しくしている敬子さんは、4人の兄弟夫婦が近くに住むのに、実母を引き取って同居しています。実母は超ぜいたくで美食家でわがままな浪費家なので、堅実家の兄弟たちが匙を投げていたからです。敬子さんの夫は義母にも平気で意見をし、勝ち気な義母とよくケンカしていましたが、家族ですから当然です。彼はお花見も温泉も海外旅行も、必ず義母を同行しました。

彼の考えはこうです。「妻の親も自分の親と同じ。親一人面倒見られないようでは男でない。訪れる人がいない家は栄えないというが、わが家はお義母さんの友だちまで出入りする家となった(いつも賑やかでした)。遠くに住む自分の親は、兄嫁が大事にしてくれているので、親孝行する喜びをくれているのはこのお義母さんだ。妻の男兄弟たちにもむしろ感謝している」。

私はこのマスオさんを知るにつけ、敬愛心が膨らんでいきました。器が大きく魅力的で、周囲に幸福を振りまいてそのリターンを受け取っているような人徳厚く、友人たちが毎日のように集う明るい家庭の主です。

単に一つ屋根で暮らすだけでは本当の意味では同居ではないというお手本のような、マスオさんも真っ青になりそうな人でした。母親同様勝ち気な専業主婦の敬子さんもいつも堂々としていました。その堂々ぶりを一つ紹介します。彼女は44歳で病で一族の誰よりも先に逝くのですが、夫への遺言の一つが「私がこんなに早く逝くのも、あの強情な私の母親をこれからもあなたが世話するのも、あなたの運命と思って、よろしくね」でした。

爪の垢でも煎じて飲んで頂きたい、ちょっと真似のできない「婿殿」ですが、ここまででなくともそれに近いサザエさん家族は珍しくありません。まして同居を恩に着せ、自分のでたらめさの口実にするなど、プライドがないのかと問いたい人です。

それに乗ったあなたも改心するべきです。母上が粗末にされているということは、あなた自身が粗末に扱われているのです。母上を大切に思うご自分自身に、もっと胸を張ってください。しかも彼は、あなたの実母が同居していなくとも、他に無責任を正当化する理由を見つけたはずです。

幼子たちが多感になる頃までには、あなたの夫は父親らしくなっていると期待できますか? 私は彼は経済的にもますますあなたに負担をかけ、その無責任さは存在するだけで、子どもたちにもマイナスに働くと思いますが、そのような父親でもその不在は不憫ですか?少なくとも、子どもたちは、こんな無責任で破滅型の父親でも、世間体を考えればいる方がましだと考えるような人間に育てるべきではありません。

欠損家庭という失礼な言葉が、平気で使われた時代がありました。未成年の子がいて、両親のどちらかがいない家庭のことを言いました。物心両面で家族に迷惑をかけるだけの夫や妻がいる最悪の夫婦仲でも一つ屋根に暮らせば、「世間体」では欠損家庭でないことになります。シングル親で心豊かに子どもを育てている家庭の方が、ずっと完全(健全)家庭だと私は思うのですが。

しかも一方の親がどうしようもない破壊型なのに、この世間体を嫌って親の離婚に反対する子どもたちの話を時々耳にします。若い世代が、このような因習的な価値観に縛られ、中身より形式重視で生きようとしてどうするのだと問いたいです。他者をもその色眼鏡で判断することであり、類が友を呼んでつまらない人としか人間関係が築けなくなるものです。70代でもそのような人やグループを見ますが、近づきたくもない人たちですよ。

あなたの子どもさんたちを「本物の人物」に育てるのも薄っぺらにするのも、あなたの価値観と育て方次第です。まずあなたが形式主義に陥らないことが重要です。最低限の責任さえ果たさない父親は子どもが成長後も、物心両面で足を引っ張るだけなのです。子どもさんたちがまともに育てば、「そんな父親でもいるほうがまし」とは絶対に言いません。

夫君が責任を果たす時は「今です」

無条件で自分を信頼している子どもたちのあどけない顔やしぐさを毎日みて、自分が情けなくならない彼が異常でなくて誰が異常ですか。この子たちのために働く幸せを感じるのが普通なのです。子どもさんたちは成長するにつれて、カネ食い虫のようにおカネがかかります。子どもたちが幼児期に一生懸命働き、おカネを貯めねばならないのです。3人の子の父親が、借金返済にも足らないおカネしか入れないなんて、彼は今稼がずしていつ稼ぐのですか。

しかも親と住んでもらっているから何も言えないなどと、あなたもどうかしています。あなたと母上が、無責任で良心もない彼と一緒に住んでやっていたのです。このことが一番重要です。下手(したて)に出るべきではありません。

借金返済と同時に何がしかの生活費を入れると彼が言えば、まだ夫婦は継続できますか? それとは関係なく、人間的にもう受け入れられなくなっていますか? 子どもたちのためにもよく考えるべき相手だと思います。あなたと子どもたちが一蓮托生なのです。よく考えて判断なさるべきです。