米アマゾン・ドットコムや米グーグルが手がける、AI(人工知能)スピーカーは、ようやく日本でも販売が始まったが、こうした製品を含む、スマートホーム機器の市場は、今後堅調に伸びていくと予測されている。

[JBpressの今日の記事(トップページ)へ]

出荷台数、昨年は27.6%増

 米国の市場調査会社IDCがこのほど公表したレポートによると、昨年(2017年)のスマートホーム機器の世界出荷台数は、4億3310万台となり、前年から27.6%増加した。

 これが今後5年、年平均18.5%の成長率で伸び続け、2022年には9億3970万台に達すると予測している。

 IDCが注目しているスマートホーム機器の分野には、「AIスピーカー」のほか、スマートテレビや映像配信端末などの「映像エンターテインメント機器」、セキュリティーカメラや玄関ドアチャイムなどの「ホームモニタリング・セキュリティー機器」、スマート電球などとも言われる「コネクテッド照明器具」、そして、グーグル傘下の米ネストラボなどが手がける「スマートサーモスタット(室温調整装置)」などがある。

急成長中のAIスピーカー

 このうち、最も急速に成長しているのは、アマゾンの「Amazon Echo」やグーグルの「Google Home」といったAIスピーカーだ。AIスピーカーは、今後もこの市場で最も高い成長率を維持すると、IDCは見ている。

 IDCによると、スマートホーム市場は、まだ立ち上がったばかり。より広範な、消費者向けIoT(Internet of Things=モノのインターネット)の市場も同様に、まだ規模が小さいが、いずれも数年で急速な成長を遂げるという。

 その理由として、IDCは、アマゾンの「Alexa」や、グーグルの「Google Assistant」、アップルの「Siri」といったアシスタントサービスの認知度向上を挙げている。

 これらは、単体の機器に搭載され、広く利用されるようになった。しかし、これらサービスは今後、サーモスタットや、冷蔵庫、テレビといった、さまざまな機器でも広く利用されるようになり、消費者向けIoTの基盤になっていく。同時に、使い勝手や機能が向上し、世界で急速に普及していく、とIDCは予測する。

最大シェアを占めるのは映像エンタメ機器

 なお、これらのカテゴリーで、出荷金額が最も多いのは、映像エンターテインメント機器だ。この分野の製品にはテレビが含まれるため、平均販売価格が、ほかのカテゴリーよりも高くなる、というのがその理由だ。

 ただ、このカテゴリーの金額ベースの成長率は、9%程度と、比較的低い水準にとどまる見通し。しかしそれでも、2022年の出荷金額は、2010億6300万ドルとなり、スマートホーム機器市場の7割超を占めるとIDCは見ている。

 IDCによると、このカテゴリーで、昨年、中心的な役割を担った企業は、テレビメーカーの韓国サムスン電子と、韓国LGエレクトロニクス、それに、映像配信端末メーカーのアマゾン、グーグル、米ロク(Roku)。

 これに対し、AIスピーカーは、平均販売価格が低い。しかし、その成長率は32%と、この市場の中で最も高い水準になるという。これにより2022年におけるAIスピーカーの出荷金額は、174億3100万ドルとなる見通し。こちらの主要メーカーは、前述したとおり、アマゾン、グーグル、アップルだ。

 IDCによると、このほかのカテゴリーの市場規模は、どれもAIスピーカーのそれよりも小さい。しかし、いずれも今後5年間、2桁成長が見込めるという。

筆者:小久保 重信