タマホームは注文住宅と分譲住宅を両輪に、1998年に創業した。そして10年目にして戸建て住宅業界で異例と言える「10指」に数えられるようになり、今日では第6位にまでその存在感を高めている。ここまでの成長の背景はタマホーム自体が「ベーシックライン」と位置付ける「第一次所得者向け住宅(1000万円前後の低価格帯住宅)」に軸足を置いてきた点に求められる。だが周知の通り「第1次取得者向け住宅」を中心に展開するライバル企業は少なくない。一方でいま斯界を知るアナリストは「位相を一段と高める施策に注力している。そしてそれが着実に実を結びつつある」と強調する。

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 その施策とはなにか。一つは15年に立ち上げた「リフォーム事業」。2017年5月期の決算短信にも、「リフォーム事業の貢献が、住宅事業全体の底上げに貢献した」とある。成功したのであろう。だがリフォーム事業そのものは、同社の専売特許ではない。ライバルの多い市場である。 むしろ同社の今後を展望する上で着目したいのは、16年7月に九州エリアを皮切りに展開を開始した「地域限定商品」事業である。「タマホーム自身の想定を大きく上回る状況を生み出している」(先のアナリスト)という。具体的には導入後1年の間に、31県で販売(昨年末では37県)。全注文住宅の販売棟数の3割近い比率となった。「地域限定商品」とは、次の様に理解すればよい。

 各都道府県、さらには自治体別に過去の販売実績1位の建屋を調べ上げる。その上で、その1位の「何故」を専門家の目で徹底的に解明する。そして1位プラスαの商品でエリアに打って出るのである。つまり(エリア1位の物件と)同じ住宅は作らない、という戦略である。

 企業という生き物は「勢いに乗る分野(商品)が新たに登場すると、好循環が始まる」という趨勢が強い。そのことは18年度(19年5月期)入り後の、同社の受注動向に読み取ることができる。6月の17年同月比121%にはじまり、明らかにされている今年1月時点までで前年同期比108・5%という実績を残している。

 同じものは作らないは、最大の差別化戦略である。