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名ばかりの「自動運転」

トヨタの研究機関のトップによれば、現在の自動運転技術のレベル区分が混乱を招く状態にあるようだ。

現在の枠組みは自動化に関する業界団体であるSAEインターナショナルによって2014年に設定されたものだ。自動化レベルはレベル0(ドライバーに警告を発する程度)からレベル5(完全自動運転)までの6段階に分けられている。

今のところ大半のメーカーはレベル2(手足を離せる)やレベル3(目を離せる)やレベル4(注意を離せる)の段階だ。しかし、トヨタ・リサーチ・インスティテュートのギル・プラットによれば、この3段階の微妙なニュアンスの違いが開発競争を混乱させているようだ。

「各メーカーが主張するレベルによってドライバーを混乱させないことが重要です。例えばレベル4では、(クルマがセンサーによって状況を認識するため)自動化できる場所が限られています」

「もしレベル4と主張するクルマがあったとして、常に安全要員の監視下でテストされていたのだとしたらそれは真のレベル4とは言えません。それはレベル2と変わらないのです」

「運転にどの程度集中しなければならないか、はさほど重要ではありません。それよりもクルマが対応できる状況の多さが重要なのです」

プラット氏のこの発言はレベル分けに対するドライバーの混乱を受けてのものだ。テスラはモデルSにレベル2の機能を搭載したが、運転者が注意を逸らしたことが原因で何件もの事故を起こしている。