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インドのバンガロールに本社を置くITコンサルティング会社Infosys(インフォシス)は、グローバル売上が100億ドル以上、従業員数は20万人を超える大企業だが、1997年からスタートした日本のビジネスは決して順調とはえいなかったという。2017年1月に日本の代表の就任した大西氏は、この1年でこの状況をどう変えたのか、そして、今後、どう成長させていくのか、その戦略を聞いた。

○これまでの課題

大西氏は、Infosysの日本における現状を、次のように語った。

「売上は、本社の期待値とは10倍くらいの開きがあります。それを、今、何とか解決しようとしています。ただ、日本は世界の中でも難しいマーケットで、日本IT業界はトップに大手5社がおり、その下に売上4000億円程度の会社が位置するピラミッド構造で、これら15社で、市場売上の80%以上を占める寡占状態となっています。そのため、それ以外の企業は、独自の強みを活かしたポジションを築いているか、15社の下請けになっています。こういうマーケットをこじ開けるのは簡単ではありません。入社する前、それをどうするか、いろいろな作戦を考えていました」

同氏が重視する戦略がローカライズだ。大西氏がいうローカカライズとは、日本語化という意味ではなく、日本市場にあわせたビジネスを展開することだ。

「インドのビジネスは、マーケット(各国)に営業がおり、実際のプロジェクトを進行している人はインドにいるという状況です。しかし、日本の場合は、プロジェクト担当が日本にいないとうまくいきません。それが、苦戦の要因だと思います。これまで、日本のコンサルタントは200人程度でインドにバックヤードとして1000人ほどがいました。200人のうち120人程度がインドから来た人です。日本の場合、お客様ときちんと話をすることが重要で、本国のオフショアにつなげる橋渡し役ではうまくいきません。そのため、日本におけるコンサルタントを増やさないといけないと思いました。ただ、世の中の人手不足もあり苦労しています。そういう意味でも、マーケティングやプロモーションは中長期的には重要で、これは市場に向けてという意味もあります。昨年は人のつながりなどを利用して60-70名程度を採用し、このうち6-7割が日本人です。今後は、M&Aや資本提携も視野に入れていきます」(大西氏)

同氏が日本人のコンサルタントを増やすことで成功した事例として挙げたのが、同じくインドに本社を置くタタ コンサルタンシー サービシズ(TCS)だ。

「TCSさんは、2014年に三菱商事グループのITサービス企業、アイ・ティ・フロンティア(ITF)とTCSの日本法人、タタ コンサルタンシー サービシズ ジャパン(TCSJ)、三菱商事とTCSJの合弁会社である日本TCSソリューションセンター(NTSC)の3社を統合することで成長しました。TCSの統合の狙いもそこ(人材獲得)にあったと思います」(大西氏)

○当面はSAPとロイヤルカスタマー作り

ビジネス面で、同氏が短期的に売上を拡大できる分野として注力しているのがSAPだ。

「日本におけるSAPのお客様は、まだそれほど多くありませんが、現在、SAP市場は活況を帯びています。本社には、海外企業向けを中心に15,000人ほどのコンサルタントがおり、これらの人材を日本市場で活用し、仕事を取っていきたいと思います」(大西氏)

また、ロイヤルカスタマーを作っていくことも重要だという。

「ロイヤルカスタマー作りに向けては、1つのソリューションだけでなく、クラウドやエンジニアリング、BPOなど、幅広くやっていく必要があります。大きな会社であれば、グループ会社も持っているので、そういった会社にもネットワークを広げていきたいと思います」(大西氏)

○業績は順調、今後の成長戦略は?

大西氏が代表に就任して1年余り、日本の売上は順調に伸びているという。

「昨年比で40%売上が伸び、それなりに成果は出せたと思います。これによって、本社の日本に対する信頼感や日本市場に対する期待値もある程度獲得できました。ただ、本社の期待とはまだ差があるので、将来的には3000億円くらいを売上げ、トップ15社の仲間入りをしたいと考えています」(大西氏)

そして、同氏が今後、安定的な成長分野と考えてるのが、クラウドとBPOだ。

「この先、安定的にやっていくためには、サブスクリプションモデルであるクラウドやBPOサービスを提供していかなければならないと思っています。グローバルでは、Amazon、Microsoft、Googleとパートナーシップを結んでいるので、これまで日本ではクラウドサービスを行ってこなかったのですが、今後はやり方を変え、フロントにエバジェリストを付け、オフショアと連携しながら行うという新たなビジネスを創り出していきたいと思っています。日本でも、ミッションクリティカルな業務をオンプレミスではなく、クラウドで行うようになっています。こういった分野において、日本のべンダーがやっていない領域を行っていきたいと思っています。インフォシスのBPOはテクノロジーをバンドルして、人とAIが連携してサポートする部分が強みで、次世代型のBPOといえます。日本では、これに加え、日本語のサポートが必要なるので、提携や買収によって、国内サポート体制を整えていきたいと思います。購買の分野で強みをもっているので、このあたりが切り口になると思います」(大西氏)

そして同氏は、今後の目標について、「この3-4年で500-600億、2025年までにグローバル売上(昨年は1兆700億円程度)の15%-20%を日本の売り上げが占めるようようになっていたいと思います」と語った。