日立アプライアンスのミニマル

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 IoT(モノのインターネット)の普及に伴い、家電製品がスマートフォンや周囲の生活家電と情報をやりとりする技術の開発競争が活発化している。共働き世帯が増加する中、家電メーカー各社は生活者の利便性を向上させるべく技術開発に力を注いでいる。

競争活発化
 「IoTプラットフォームを活用して『家の中』や『家と街』をデジタルでつなぐことを目指す」―。日立製作所の中村晃一郎生活・エコシステム事業統括本部エグゼクティブストラテジストは力を込めて語る。

 その取り組みの一環として、日立アプライアンス(東京都港区)が、スマホ用アプリケーション(応用ソフト)で操作できる「コネクテッド家電」を続々と投入している。同社のIHクッキングヒーター「火加減マイスターHT―L350KTWF」は、アプリで調べたレシピの情報をスマホから同製品へ送信すると、火加減や加熱時間などを自動で調整する。また、同時に複数の作業をこなせるように、火加減や調理の進行状況をスマホで確認できる。

 さらにロボット掃除機「minimaru(ミニマル)RV―EX20」もアプリを使って外出先から操作や予約などを行える。今後は新たに人工知能(AI)スピーカーにも対応できるようにするなど、進化させていく構えだ。

 一方、三菱電機は人間が操作せずに家電同士が情報をやりとりする技術を開発した。朝、朝食を作るためにIHクッキングヒーターを起動すると、同ヒーターがダイニングや子ども部屋などの家電製品へ情報を伝える。その情報を基にリビングの電灯やテレビが付いたり、炊飯器が炊飯を始めたりする。

 また子ども部屋に設置した電動窓やエアコンに情報を伝えることで、窓を開けて子どもを起こしたり、部屋を暖めたりするシステムに応用できる。同技術はネットワークを通じて接続する「スマート家電」に搭載可能だ。2020年度以降の実用化を目指している。

遠隔操作
 日々の生活の中で、掃除や調理など家事の手間を省くことに対する消費者ニーズは高い。こうした背景を踏まえ、各社はIoTで家電を遠隔から操作したり、家電同士が情報をやりとりしたりする技術を磨いている。共働き世帯の増加に伴い、生活者の負担軽減につながる製品が一段と求められそうだ。
(文=福沢尚季)