河川や地下水位などを監視・測定するシステム「SESAME(セサミ)」

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 みどり工学研究所(札幌市中央区)は、河川や地下水位などを監視・測定するシステム「SESAME(セサミ)」の展開を拡大している。ゲリラ豪雨など自然環境の変化も含め、さまざまな水に関する災害への対策として、国内外でセサミの用途が注目されている。

スマホで確認
 主力の「セサミII」は、カメラや各種センサーを使い農地やダム、河川などを対象に水位・雨量などを監視し測定する。インターネットを通じ収集したデータはグラフ化し、24時間即時にパソコンやスマートフォンで確認できる。本体価格は50万円程度で、通信管理費用が1台で月額3000円からと安価で提供する。広域無線技術のLPWAを活用する新製品の「セサミIII」もラインアップする。

 インドネシアでもセサミの活用は広がっている。インドネシアでは地球温暖化に伴う洪水・干ばつ、泥炭地の火災による大量の二酸化炭素(CO2)の発生が社会問題として指摘されている。国際協力機構(JICA)の事業なども生かし、泥炭地の火災への対策として地下水位を監視するため、インドネシアで累計100台以上を設置してきた。1月に、インドネシアの泥炭地復興庁に、国連開発計画(UNDP)を通じて20台も納入した。

下水道見張る
 みどり工学研究所の繁永幸久最高経営責任者(CEO)が次に見据えるのは、国内でのゲリラ豪雨への対策だ。「ゲリラ豪雨は、もはや異常気象ではない。九州での豪雨や北海道でも台風被害があった。自然災害に対する意識を変えないといけない」と指摘する。

 ゲリラ豪雨によって大きな被害をもたらす可能性があるのが、下水道だ。道路のアスファルトから一気に流れた雨水が下水管の中であふれてしまうのも想定され、地下街などに浸水の被害を及ぼす可能性も指摘される。みどり工学研究所は、日本下水道新技術機構(東京都新宿区)の調査に協力し、マンホールの下にセサミのセンサーなどを設置し、大雨のあった地域でも細かくデータを取得するなど、一定の成果を出してきた。

 セサミIIの派生製品でもある危機管理型水位計も実証を進めている。国土交通省の革新的河川技術プロジェクト(第二弾)に参加し、山形県の和田川津久茂橋樋管水位計として設置している。圧力水位計、電波式水位計、カメラ、太陽電池パネルなどを置き、雪どけ水による水位増などを監視する計画だ。

中小が連携
 繁永CEOは「地方の中小企業の役割として小さなものに目を向けて、最新のテクノロジーを活用して開発する知恵を働かすことが重要だ」と災害対策を含め新技術の事業展開には中小企業が連携する重要性を指摘する。汎用品を使いながら、さまざまな企業の技術を持ち寄り、作り上げていくことで価格面でも、性能面でも海外と競争できるとみる。アイデアを生かし、地域振興につなげる姿を思い描く。