中国、モノづくり先進国へ中長期戦略始動

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 中国がモノづくり先進国への歩みを速めている。中国政府は中長期の戦略「中国製造2025」を本格的に始動。IT、工作機械・ロボット、電気自動車(EV)など重点10分野を軸に次世代化を加速する。半導体関連やロボットの需要拡大などが期待され、日本企業へのプラス面も大きそうだ。ただ製造業関連の通商問題が表面化する中、外資企業による市場参入・調達を制限するなど対外姿勢を硬化してくる懸念もくすぶる。

中国製造2025に懸念
 製造業向け政策の方向性を議論する経済産業省の産業構造審議会製造産業分科会。直近の会合では、新たなテーマとして中国製造2025が挙がった。「我が国のモノづくりへの影響が極めて大きく、無視できない」とある経産省幹部は重要性を強調する。

 ただ足元では中国による鉄鋼の過剰供給が米国の輸入制限を引き起こすなど通商問題が表面化。「(過剰供給が)半導体、ロボット、EVなどに拡散する恐れもある」と経産省は警戒する。

 在中欧州連合(EU)商工会議所が外資の参入制限、技術供与の強要といった要素があるとして中国製造2025を批判するなど、海外でも懸念する声がある。

プラスの影響
 とはいえ日本へのプラスの影響は無視できない。例えば2017年を通じ好況が続いた半導体関連産業。IoT(モノのインターネット)や次世代自動車の開発加速などが要因として挙がるが、「中国の政策効果も大きい」(半導体製造装置部品メーカー幹部)という。

 中国政府は、中国製造2025の重点10分野の一つ「次世代IT産業」の主要項目に半導体を位置づけ、資金支援などを通じ産業育成を強力に推進している。「中国は製造大国だが、強国ではない。2049年までに世界をリードできるようにする」―。

 17年11月、次世代製造業をテーマに経産省が開いたシンポジウムで、リ・ハイファ中国情報通信研究院(CAICT)副技師長は中国製造2025の狙いをこう紹介した。まず25年までに強国の仲間入りを果たし、続く約20年でトップに躍り出る計画だ。