歴代ロードスターが一挙に集う贅沢な試乗会が開催された

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2006年の開所以来、「三次自動車試験場」(広島県三次市)と並びマツダ車の研究・開発の拠点として重要な役割を担う山口県美祢市の「美祢自動車試験場」。今回、同試験場でメディア向けに開催されたマツダ体験会で、歴代ロードスターに乗車するという貴重な機会を得ることができた。

【写真を見る】試乗車エンジンスペック:1597cc水冷直列4気筒DOHCエンジン。最大馬力120ps/6500rpm、最大トルク14.0kg・m/5500rpm

1989年の販売開始以来、世界中で人気を博し累計100万台を超えるセールスを記録するマツダの代表車種の一つである「ロードスター」。軽量な車体に総排気量2000cc以下の自然吸気エンジン。スポーツ走行性能を備え、なにより運転が楽しいという特徴を備えるライトウエイトスポーツカーだ。

今回、試乗会で歴代ロードスターが取り揃えられたのは、マツダの提案する「人馬一体」を体感するため。コンパクトで操作性に優れる「ロードスター」は、開発当初より“愛馬と心を通わせるように、走る歓びを分かち合う”というマツダの理念とともに生産されているため、その“深化”を体感するのにおあつらえ向きの車というわけだ。

■ 初代ユーノスロードスター(NA)1989年-1997年

リトラクタブル・ヘッドライト(格納式前照灯)を採用し、カエルのようなかわいらしいフロントマスクが印象的。用意されたユーノスロードスターVスペシャルは1990年7月に販売。グリーンのボディーにタン色(淡い茶色)系の本革シート、イタリア・ナルディ社製の木製ステアリングとシフトノブが用いられるなど、レトロな雰囲気が漂う。

■ 2代目マツダロードスター(NB) 1998年-2005年

1998年のフルモデルチェンジとともに、ユーノスロードスターからマツダロードスターに名称変更。リトラクタブル・ヘッドライトが廃止され、ユーノスロードスターVスペシャルと比べると、インテリアも一気にモダンに変化。初代ロードスターは1993年のマイナーチェンジでエンジン容量を1800ccにアップしていたが、NBでは再び1600ccエンジンが復活。変速機は1600cc が5速MT、1800ccが6速MTへと差別化された。

■ 三代目マツダロードスター(NC) 2005年-2015年

2005年に誕生したNCはプラットフォームを刷新し、全長3995×全幅1720×全高1245(mm)と変更され、5ナンバーから3ナンバーに。エンジンも新開発の2.0L MZRエンジンに変更され、パワーアップ。リアサスペンションにマルチリンク式が採用されたことで細かい制御が可能になり操作性・快適性・路面追従性の向上を狙っているほか、「RHT(リトラクタブル・ハードトップ)」仕様では電動格納式ハードトップを備えるなど装備面の充実が図られている。

■ マツダロードスター(ND) 2015年-現在

マツダの先進技術「SKYACTIV(スカイアクティブ)技術」とデザインも「魂動(こどう)デザイン」を採用。ボディーに使用するアルミや高張力鋼板、超高張力鋼板の比率を先代モデルから約13%アップさせ、剛性を確保しつつ約100kg以上の大幅な軽量化に成功した。また前輪を前方へ移動させ、足を自然に伸ばしたところにペダルを配するペダルレイアウトを採用。前への踏み込みを要する“吊り下げ式アクセルペダル”から、かかとを支点に上から下へ踏み込む“オルガン式アクセルペダル”に仕様変更されている。

今回の試乗体験では、代が変わるごとにどのように“人馬一体”の変化を感じられるのかに注目していたところ、まるで意を汲んでいたかのようにタイミングよくNAからNDへの順に試乗できた。これは幸いと嬉々として試乗を繰り返したところ、徐々に振動の減少やエンジン音が静かになっていき、オープンカーにとって宿命ともいえる、車内への風の侵入も改善されているのが肌で感じられた。

また、高年式になるにつれ、ギヤの切り替え時にガクっとくる感じが少なくなり、コーナリングを始めとするハンドル操作量も減るなど、スムーズに運転できる印象。個人的にはNBぐらいが運転して楽しかったが、これは個人の好みによりけりだろう。新車が発表されると、“前モデルから何%改善”とよく目にするが、こうした技術の進化がもたらす車の変化をこのように体感できる機会もそうそうない。

試乗後、マツダの理想にどの程度まで近づいているのかを開発担当者に尋ねてみた。すると当初設定した理想に近づいても、さらに理想が高まるため「理想の実現に終わりはない」とのこと。今後、どのような車が登場するのか期待は高まるばかりだ。(関西ウォーカー・安藤康之)