JT(日本たばこ産業)が、年内に加熱式たばこの新製品を2種投入する計画だと産経新聞が2日に報じた。

「Ploom TECH(プルーム・テック)」は、バッテリーとカートリッジからなるJTのたばこ用デバイス。
たばこ葉を詰めた専用のカートリッジを使う「低温加熱型(Infused)」だ。

新製品のひとつは、従来品をブラッシュアップした製品となるもよう。
もうひとつの製品は、
・米フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)の「iQOS(アイコス)」
・英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)の「glo(グロー)」
これらと同様の「高温加熱型(Heated)」だという。

専用カートリッジではなく、紙巻きたばこ状のスティックを、本体に差し込んで加熱する仕組みだ。

なぜ、JTは、従来品だけではなく「高温加熱型」を投入するのだろうか?


■海外勢を追撃するJTの事業戦略とは
JTの寺畠正道社長は2月の決算発表会で、RRP(リスク低減製品)という位置付けで、過熱式たばこの今後に言及。従来の「低温加熱型」製品の進化と、「高温加熱型」製品の新規参入を示唆していた。

JTは、これまで過熱式たばこの市場では、「iQOS」「glo」に遅れる形となっていた。
JTの「Ploom TECH」において、低温および高温の両製品を市場投入することで、巻き返しを図るというのだ。


■電子たばこの種類とJT新製品の注目ポイント
「過熱式たばこ」は、いわゆる「電子たばこ」と呼ばれることが多い。
日本国内においては「パイプたばこ」として財務省管轄で認可を得ている製品となる。

一方、コンビニや電子たばこ専門店でも目にする「電子たばこ」は、現時点で厚生労働省の認可を必要としない。
理由は、「ニコチン0、タール0」を売り文句にした「フレーバー」製品とも呼ばれるものだからだ。

つまり、一般的に「電子たばこ」と呼ばれるものには、
・ニコチンを含む「加熱式たばこ」
・ニコチンを含まない「フレーバー」
この2種類が存在することになる。

「Ploom TECH」は、加熱式たばこの「低温加熱型」だ。
「iQOS」「glo」の「高温過熱型」に比べて圧倒的に臭いが少ない。
これがもっとも大きなアドバンテージとなる。

ちなみに国内でのシェアが高い「iQOS」は、独特の臭いがあり、嫌煙家からは非難の対象になることが多い。

そんな中、2月の決算発表会で寺畠社長は、
「高温過熱型」製品における新規参入について「競合を凌駕(りょうが)する品質、テイストを備えた新製品を投入することでシェアを奪取していく」
と、述べている。

後発となる「高温加熱型」で、いかにデメリットを抑え、高い品質の製品を投入してくるかが注目される。

また、先行する「iQOS」や「glo」は、JTの追撃に対し、
・いかにシェアを伸ばすのか
・対応する次の一手
これらも、注目したいところだ。


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