太陽の塔(万博記念公園内)

写真拡大

1970年に開催された大阪万博の、シンボルゾーン展示館のパビリオンだった太陽の塔。その内部の約48年ぶりとなる常時公開がスタートした。公開に当たり行われた募金は予想を大きく上回る金額が集まり、予約受付開始日にはサイトがダウン。4か月先まで予約可能だが、土日祝はすでに完売状態という、その人気の理由を聞いてみた。<※情報は関西ウォーカー(2018年2月20日発売号)より>

【写真を見る】1970年の大阪万博会期中の内部。約917万人もの来場者が見学

マンモスの模型などが取り付けられた高さ約41mの「生命の樹」は、併設された階段を上りながら進化の歴史がわかるような仕組みに。

■ 万博の遺産として残すため内部展示の再生を目指す

1970年以降、内部が一般公開されることはほとんどなかった太陽の塔だが、実は2003年に当時万博記念公園を運営していた独立法人日本万国博覧会記念機構が、人数限定で内部を公開したことがある。

「1970人の募集だったのですが、約4万人もの応募があったそうです。その後追加募集もあり、4年ほどで約5万人もの人が訪れました」と営業推進課の平田さん。

そうした人気ぶりの影響もあったのだろうか、同機構は2006年に日本万国博覧会の遺産を残すことを計画。「そのなかの一環として太陽の塔をこれからも残し続けようという思いから、耐震改修や塔内の展示物の再生が計画されたんです」。

しかし公開するためには耐震補強などクリアしなければならないことも多く、予算の確保も難航を極めたそう。そんななか公園の運営が大阪府に移管。予算の見直しなどが行われ、念願の公開へとこぎ着けた。

「当時を知る人や、生みの親である岡本太郎さんのデザインに魅了された人が人気を支えているのでは」、と分析する平田さんだが、万全の態勢を整えて開設した予約サイトがダウンするほどの反響を見せることになるとは完全に「想定外」だったそう。

■ 展示物や音楽も再現し当時の空気感を体感

見どころは生命の進化の過程を表現した「生命の樹」で、原生動物から原始人まで当時展示された生物模型のうち、183体を復元・修復。また、地下に展示され、万博終了後所在不明の「地底の太陽」も、残っている資料や写真をもとに再現。「地下展示空間で流れていた音楽をアレンジしたものを流すことで、当時の空気感まで体感できると思います」というから楽しみ。

2025年の万博誘致の機運を高めるにも絶好のタイミングとなった内部公開。「数少ない1970年の万博の遺産ですし、建物としてはエッフェル塔にも匹敵する価値のあるものだと思います」と平田さん。鳥肌が立つほどエネルギーがあふれる内部を見れば、当時を知らない人でもきっと感動するはず。

■ 数字で見るヒットのポイント

【1億4013万5547円】太陽の塔の内部公開のために寄せられた寄附金の金額(1月15日時点)。2087件もの協力があり、目標だった1億円を大きく上回る額に。

【30分80人】建築基準法による安全確保のため入館できる人数を規制している。30分で80人までが入場できる。10時〜17時の場合だと1日1120人。

【1秒で約3万人】昨年12月の寄附者先行予約の反響が大きく、サーバーを強化していたが、1月19日の予約開始日には1秒間に約3万人以上がアクセス。

■太陽の塔(万博記念公園内)<住所:吹田市千里万博公園 電話:06-6155-5601 時間:10:00〜17:00(最終入館16:30) ※3月28日(水)〜4月15日(日)は10:00〜21:00(最終入館20:30) 休み:水曜 ※時期により変更 料金:大人(700円) ※別途自然文化園・日本庭園共通入園料大人(250円)が必要 駐車場:約4300台(400円/120分、土日祝600円/120分) 交通:大阪モノレール万博記念公園駅より徒歩5分>【関西ウォーカー編集部】(関西ウォーカー・編集部)