冤罪がますます増えるかも(写真はイメージ)

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 警察庁によれば、迷惑防止条例違反の痴漢事犯の検挙件数は、2006年が4181件だったのに対し、10年後の2016年には3217件と、実に1000件近くも減少した。都道府県警察が、痴漢に対して警戒や対策を強化した成果といえるだろう。

 たとえば神奈川県警では、「電車内痴漢等迷惑行為相談所」というホームページで、〈ちょっとした行動を起こしてみましょう。犯行をやめさせることができるかもしれません〉と警戒を呼びかけている。

 取り締まりの強化、女性側の意識の変化で痴漢が減っているのだろう。しかし、そうした動きが、「触らない痴漢」という“新たな犯罪”を生み出している。女性の自己防衛に詳しい安全生活アドバイザーの佐伯幸子氏が言う。

「昨今の自己防衛の高まりで、触られた場合だけでなく、危険を感じたり、不快に感じた時点で『痴漢です』と訴える女性が増えているようです」

 たとえば、満員電車で体が接近した男性の吐息がかかったことで「匂いを嗅がれた」、あるいは、何度も目が合ったことで「いやらしい目で見られた」などと訴え出られれば、痴漢の容疑がかけられることになるのだ。

 大阪府警も、公式ホームページで〈盗撮、のぞき見、いやらしい言葉や行動などで、恥ずかしい思いや不安を感じさせることも、ちかん行為の一種です〉と呼び掛けている。

「決め手になるのは触ったかどうかではなく、女性側が不快だと思ったかどうか。たとえ電車内で体が接触していなくても、女性に不快感を与える言動をしていれば痴漢容疑をかけられるかもしれません」(前出・佐伯氏)

※週刊ポスト2018年4月13日号