画像提供:マイナビニュース

写真拡大

ネットアップはこのほど、都内でメディア向けに最新ビジネスアップデートの説明会を開催、同社 代表取締役社長の岩上純一氏らがプレゼンテーションを行った。

○5月から合同会社に組織変更 - 3つのユニット制

はじめに岩上氏は「日本法人設立から20周年を迎えた。2012年に社長就任し、ビジネスは順調に推移しており、日本法人設立以来、過去最高の売り上げを見込んでいる。ストレージに関してマーケットシェアは売り上げで測られるが、現在はデータの出荷容量にフォーカスされるべきだ」と、述べた。

そして「IDCの調査によると、2017年通期の国内外付型オープンネットワークストレージ市場においてシェア1位を獲得した。ストレージのディスプラプターであると確信し、仮想化やクラウドの波の中で成長してきた。5月1日から株式会社から合同会社となる」と説明した。

同社は、合同会社に組織変更する5月から体制変更を予定しており、「NetApp Storage Systems & Software」「NetApp Cloud Infrastructure」「NetApp Cloud Data Services」の3つのビジネスユニット制とする。

NetApp Storage Systems & Softwareは、同社のデータ管理ソフトウェア「ONTAP」を中心にデータ管理とストレージの最新化を担い、注力製品はオールフラッシュストレージ「All Flash FAS」となる。

NetApp Cloud Infrastructureは、次世代データセンターに対応し、注力製品はスケールアウト型オールフラッシュストレージ製品「SolidFire」とHCI(ハイパーコンバージド)製品「NetApp HCI」の2製品。

NetApp Cloud Data Servicesは、ハイブリッドクラウドに対応し、注力製品はクラウドストレージサービスの「Cloud Volumes with Hyperscaler」「Cloud Providers」の2製品となる。同氏は新体制について「それぞれの領域にフォーカスし、ビジネスを展開していく」と意気込みを語っていた。

○データアクセスのボトルネックに柔軟に対応

続いて、ネットアップ 常務執行役員 CTO 技術本部の近藤正孝氏が今後のITトレンドについて説明した。同氏は「リアルタイムアプリはデジタルトランスフォーメーションの要になる」と指摘。

これはHadoopのようなパッチ形式の分析結果を得る従来の手法からAIや機械学習、リアルタイム分析を活用し、データをフロントエンドに反映させていくものとなる。

今後、2〜3年後にインメモリ技術は1兆円規模に拡大することが見込まれている。これらを支えるテクノロジーは従来以上に高速なデータサービスが必要であり、現在は多様な産業においてIoTのアプローチが盛んになっている。

しかし、IT部門ではIoT基盤の基盤化に向けた効率性の向上が課題となっている。機械学習のパイプラインはエッジからデータを取得し、コアに集積したデータを整理統合した上でデータレイクが構築される。そして、学習済みのモデルをテストし、本番稼働につなげ、新たに得た気づきなどがエッジやデータレイクにフィードバックし、クラウドにアーカイブされる。

そのため、膨大なデータセットを分析するニーズが従来以上に急増し、データをコンピューティングリソースの近くに移動する必要が生じることからソリッドステート中心の新しいアーキテクチャが必要になるという。

ストレージはNVMeとSCM(Storage Class Memories)、ストレージネットワークではNVMe over Fabricを挙げていた。NVMe over Fabricは、SSD時代の新しい高速のストレージエリアネットワークで、これを支える技術がRDMA(Remote Direct Memory Access)だ。メモリから別のコンピュータのメモリまで効率よく、CPUやカーネルのプロトコルスタックを通さずに直接メモリを転送する技術となる。

これまでのデータアクセスのボトルネックは、ストレージ、ネットワークと変遷してきたが、将来的にはOSのソフトウェアプロトコルスタックがボトルネックの中心になることが想定されるため、超低レイテンシアプリの必要性が高まってくると予測している。

そこで、同社は昨年夏にイスラエルのスタートアップ企業であるPlexistorを買収した。例えば、Linuxの典型的なプロトコルスタックはローレイヤ、ミッドレイヤ、ハイレイヤ、ブロックレイヤなどがあり、ボトルネックになる恐れがある。

一方、Plexistorのアーキテクチャは、そのようなレイヤがなく、フォジックスレイヤでアプリは影響を受けず、高速メディアのスピードを享受できるとしている。ベンチマークでLinux XFS+NVMeとPlexistorのOS+NVMeの比較では、レイテンシが44倍、IOPSが67倍の効果を確認したという。

今後、データ自体がデータを認識するようになると近藤氏は話す。同氏は「これまでデータ処理はデータの外側にあり、管理や移動、保護、加工などを行っていたが、年々膨大していくデータに対して、データ内で管理、移動、保護の方法を決定していくものになるのではないか」との認識を示す。

同様のものとしては、オブジェクトストレージを挙げており、データの改ざんや違法コピーなどを防ぐとともに、データをスムーズに適切な人、組織、場所に移動させ、データ駆動で行うことが可能になるという。

近藤氏は「より堅牢でスケールアウト可能な考え方であり、データ自体が自分が何であるか分かるような状況となる。例えば、交通事故の際に事故車両のデータは弁護士や保険会社が責任を判断する材料にするほか、自動車メーカーはパーツなどの品質改善などに活用できる。データ自体が判断できればスムーズにデータを渡すことができる」と、主張していた。