上原彩子、メジャーVは逃すも充実した表情を浮かべた(撮影:岩本芳弘)

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<ANAインスピレーション 最終日◇2日◇ミッション・ヒルズCC ダイナ・ショア・トーナメントC(6,763ヤード・パー72)>

メジャー制覇まであと一歩に迫った。言い出せばきりがないほど、惜しいパット、アプローチを重ねた。今季、海外女子メジャー初戦の「ANAインスピレーション」で単独の8位に入った上原彩子。激闘を振り返り、充実感と悔しさをにじませた。

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最終日は首位と5打差からのスタート。「緊張はやっぱりありましたし、とにかくバーディを取らないと追いつけないと思っていました」と、序盤から飛ばしに飛ばした。1番は4メートル。2番のパー5でも3打目を3.5メートルにつけてバーディ。3番パー4ではセカンドをピン左2.5メートルにつけて3連続バーディ。「自分のプレーをしながらバーディを取っていこうと思っていました」。プランどおり前半を進め、7番をプレー時にはトップタイに躍り出た。

悔やまれるのは9番。左ドッグレッグのパー5で、ドライバーが右ラフに突き抜けた。「あそこのラフは深くて」と、脱出に失敗。ふたたび右ラフにつかまると3打目はグリーンオーバー。ピンは奥から4ヤード。寄るはずもなく、このホールをボギーとしたが、引き締まった表情でサンデーバックナインに向かった。

3日目まで苦戦していた後半は、バーディ逃しのパーで10番をスタート。11番のパー5では、3打目をピン奥4メートルにつけ、これをど真ん中から沈めてバーディ。この時点で首位とは1打差。メジャー制覇の夢がますます膨らんだ。12番、13番は打ち上げでアゲンストの風。ここを無難にパーで収め、14番のパー3でも15メートルのロングパットを寄せて難なくパーとして、上がり4ホールに入る。

「後半もいいプレーがたくさんありましたが、本当に勝つためには運もすごく大事。やっぱりかみ合わせが大事なのかなと思っています」と、淡々と振り返ったが、何度もチャンスを演出した。15番では2.5メートルのチャンスを決めきれず。16番は難しいアプローチがカップをかすめる。17番でもロングパットがカップに沈みかけた。ホールアウト後には「もうちょっと入ってもいいでしょう」と苦しかった後半を振り返ったが、言葉どおり、一筋、数センチの差に泣いた。

迎えた72ホール目の18番パー5。この時点でホールアウトした暫定首位とは2打差。イーグルが必要な状況で、またしても運に見放される。「いいショットだったのに、木に当たりますかね」と、セカンド地点に立つ細い3本の木に当たり、左の池のふちへ。ひざ丈の深さの浅瀬に入り、かろうじて前に出した。4打目でようやくグリーンオン。1メートル強のパーパットをねじ込み、ようやくホッとした表情を浮かべた。「やっぱりガマンが必要なコースだけど、ときにはアグレッシブにもいかないといけない、うん」と、自分に言い聞かせるように自ら死闘をねぎらった。

宮里藍、宮里美香、有村智恵、横峯さくらと、米ツアー組がそろって米国を離れた。日本を背負っている感覚はないが、当然さみしさも募る。「日本人もあまりいないので、なかなか取り上げてもらえない。でも今回の成績でちょっとでも取り上げてもらえるチャンスになれば」。メジャーのサンデーバックナインで優勝争いを演じたベテランの心の叫び。「たぶんみんな期待していないと思うけど、自分が自分に一番期待していますから」。今季メジャーは残り4戦。きっとこの結果は日本にも届き、上原を後押しする応援が増えるはずだ。(文・高桑均)

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