もっとも、そろそろECBの新しい理事長が誰になるのか、といったことが話題になって来そうです。現在のドラギ総裁の任期は2019年10月で、まだまだ先の話ですが、次期総裁は順番から言ってバイトマン・ドイツ連邦銀行総裁の名前がすでに上がっており、ドラギ総裁はそれまでに量的緩和などの処理を済ませるだろうと予想されています。

 4月のレンジとしては、「ユーロ円」で1ユーロ=128円−133円、ユーロドルで1ユーロ=1.22ドル−1.25ドルといったところだと考えています。利上げが近いのではないかと言われている「英国ポンド」の予想レンジとしては、1英国ポンド=146円−152円というところでしょうか。

 ――クロス円の予想レンジは? また、4月相場の注意点を教えてください。

 オーストラリアドルは、RBA(オーストラリア準備銀行)のロウ新総裁が「利下げや豪ドル安が豪経済を支援している」といった低金利を肯定する発言するなど、金利引上げは遠のいた感があります。「豪ドル円」の予想レンジとしては、1豪ドル=79円−83円といったところでしょうか。

 クロス円では、ここ最近乱高下していることで注目されているものに「トルコリラ」があります。トルコは、シリア北西部にあるクルド人勢力の拠点「自由シリア軍(FSA)」を制圧して支配下に置くなど、地政学リスクは相変わらず大きいものの、ここに来てトルコリラが買われています。

 エルドアン大統領が、中央銀行に介入するような発言をするなど、相変わらず変動幅の大きな相場と言えますが、10%を超えるインフレ率に支えられて、高金利通貨として投資対象になっているようです。予想レンジとしては「トルコリラ円」で、1トルコリラ=25円−27円というところだと考えられますが、リスクの高い通貨であることを忘れないことです。

 4月相場は、トランプ米大統領のリスク次第と言っていいかもしれませんが、不透明な相場が続くことは間違いないと思います。こういう時には、ゆっくり投資することです。買うにせよ、売るにせよ新たなポジションを建てるときには、時間をかけて投資することです。

 また、4月末にはゴールデンウィークも始まりますから、こう時にはポジションを小さめにして様子を見ることです。(文責:モーニングスター)。