外為オンライン・アナリストの佐藤正和さん(写真)に2018年4月の相場動向をうかがった。

写真拡大

 トランプ大統領の追加関税強化による保護貿易政策への転換、そして、北朝鮮情勢が大きく動いた3月相場となり、ドル円市場も104円台半ばまで円高が進んだ。果たして4月はさらに円高が進むのか、それとも歯止めがかかるのか・・・。外為オンライン・アナリストの佐藤正和さん(写真)に2018年4月の相場動向をうかがった。

 ――4月相場のポイントになるものは?

 3月中の大きな動きとしては、米国のトランプ大統領による中国や日本などに対する保護貿易主義の動き、そして北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党書記長による非核化宣言がありました。4月相場では、この2つの動きがどんな展開を見せるかによって、さらなる円高が進むのか、あるいは円安に転換するのかが決まってくると思います。

 米国の保護貿易主義強化の動きというのは、鉄鋼とアルミニウムに対して安全保障の脅威になっているとして、鉄鋼に対しては25%、アルミニウムに対しては10%の追加関税を課すというもの。保護貿易主義台頭への懸念からドル売り、株売りが強まりました。当初、日本は対象外になるのではないかと思われていましたが、日本も対象に含まれたことで、市場は全体的にやや円高傾向にあるのかもしれません。

 北朝鮮は、周知のようにトランプ大統領と金正恩書記長が、共に5月までに初会合を持つ意向を示したことで事態は急展開し、その後、金正恩書記長が中国を訪問し、習近平国家主席と会談するなど、大きな進展を見せています。

 ――これらの動きは為替相場にはどう影響してくるのでしょうか?

 どちらも大きな影響を与えることにはなりますが、4月18日に予定されている日米首脳会談でどんな話が出てくるのかが、まず大きなポイントになるのではないでしょうか。フロリダ州の大統領別荘でトランプ大統領が盟友であるはずの安倍首相に対して、ひょっとしたら日本に不利になるような政策を打ち出してくる可能性もあり、それまでドル円相場はやや荒れた展開になるかもしれません。

 いずれにしても、トランプ大統領次第と言えますし、4月相場は不透明感が大きい。とりわけ、日米間の貿易不均衡を放置してきたツケを支払わなければならない日が、いずれはやってくるわけですが、同大統領は全体で1300品目、6000億ドル(約6兆3000億円)相当の貿易不均衡を是正すると宣言していますから、日本も無傷ではいられないと思います。

 今年の11月に実施される中間選挙をにらんだパフォーマンスと考えられますが、4月以降、トランプ政権には振り回される覚悟を持っておいたほうがいいかもしれません。

 ――米国の金利引上げはあと3回といった情報もありますが、ドル円の予想レンジは?

 パウエル新FRB議長が、意外と金利引上げに積極的な「タカ派」だったこともあり、FRB理事の中には、年末までの利上げの回数を3回と主張する人もいるようですが、難しいのではないでしょうか。FOMCの回数などを勘案すると、2回と考えるのがいいような気がします。

 いずれにしても、4月はFOMCがないために利上げはありませんし、株式市場同様に変動の激しい相場になる可能性があります。4月の「ドル円」の予想レンジとしては1ドル=104円50銭−108円程度と見ています。

 ――ユーロなど欧州系通貨の予想レンジは?

 イタリアの総選挙で、右派とポピュリズム政党への有権者の支持が集まったことが大きな話題となりましたが、それ以外の部分では落ち着いている状況と言って良いのではないでしょうか。4月は、ECB(欧州中央銀行)理事会もありませんし、懸案だったギリシャの債務問題も解決しています。