アングル:米金利先物、出来高が米国債を逆転 

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[28日 ロイター] - 米金融市場で金利先物の取引高が米国債の取引高を初めて上回った。背景には新規の投資家の市場参入や規制強化に伴う資金の流れの変化があり、今後も金利先物市場の拡大が続きそうだ。

1日当たりの取引高は金利先物が3980億ドルと2010年の2570億ドルから大幅に増えた。半面、米国債の取引高はこの間に4420億ドルから3960億ドルに減った。

金利先物市場をほぼ独占するCMEでは、金利先物で多くの建玉を抱えた企業の数が2月に2086社と過去最高を記録し、前年同月の1649社から大幅に増加。また、52週平均でみた出来高は、金利先物の米国債に対する比率が今月7日に100%を超えた。前年同月は94%、2010年は58%だった。

直近の年次報告によると、CMEは取引・清算業務の収入の33%を金利先物が占める。

金利先物市場には、CMEなど匿名性や公開性の高い取引場所を好む投資家が新たに参入している。また、規制強化によって銀行のリスクテークが制限されて債券の一部で流動性が細ったほか、デリバティブの店頭取引はコストが膨らんでいる。

さらに10年物米国債の利回りが先月4年ぶりの高水準を付けるなど、米国債市場のボラティリティーが高まっていることも金利先物市場の活況を後押しした。

CMEの金利商品グローバルヘッド、アグハ・ミルツァ氏は「CMEの金利商品の利用が増えたのは、金利のボラティティーが非常に低い水準から上向き始める市場環境下で、バイサイド顧客の参入が増加し、流動性が一貫して深みを増しているためだ」と述べた。

デリバティブの店頭取引に対する資本手当てを厚くするよう義務付けた新規則の段階的な導入で、代替的な投資先となる金利先物への資金流入が進んだ。

グリニッチ・アソシエーツの推計によると、店頭取引の金利スワップに比べ、相当する金利先物のコストは70%も低くなることがある。

金利先物はレバレッジの面や銀行のバランスシートに乗らない点も魅力。さらに、株式市場で利益を上げる機会が減ったため、金利先物市場に鞍替えするケースもあるという。

ただ、米連邦準備理事会(FRB)は銀行の自己資本比率規則の緩和を目指している。この影響で「米国債は指標銘柄を外れたオフザラン銘柄の取引が容易になり、相対的に金利先物の魅力が薄れそうだ」(RBSキャピタル・マーケッツの米金利ストラテジストのマイケル・クロハーティ氏)と、規制緩和による影響を懸念する声もある。

(Karen Brettell記者)